応用情報処理技術者試験の対策サイトです。 応用情報処理技術者試験の午前問題を中心とした基礎用語の解説を中心に掲載します。書き始めたばかりなので、内容はまだまだ不十分です。
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11. 企業と法務 > 11.3 会計・財務

過去問(H22春AP午後問1)には、具体的な財務諸表である貸借対照表と損益計算書があります。
実際に見てみましょう。
損益計算書
損益計算書は、「ー会計期間における経営成績を表示したもの(H21春IP問16より)」です。

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この中で、特に営業利益がどうやって求められるかを理解しましょう。比較として、売上総利益や経常利益をみておくといいですが、こちらはあまり試験で問われません。

貸借対照表
貸借対照表は、「企業の一定時点における財務状態を表示したもの(H21春IP問16より)」です。
こちらはAPの試験ではそれほど重要ではありません。
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過去問(H22春AP午前問78)を見てみましょう。
問78 期末の決算において,表の損益計算資料が得られた。当期の営業利益は何百万円か。
180405_H22春AP問78
ア 270  イ 300 ウ 310  エ 500
【正解】イ
別途解説します。

固定費と変動費
変動費は、言葉の通り、売上に連動して変動する費用です。例えば、夜店でジュースを販売する場合、ジュースの仕入原価が変動費です。ジュースが売れれば売れるほど、原価も上昇します。
 一方、固定費も、言葉の通りで、売上が変動しても固定的にかかる費用です。さきほどのジュースの販売でいうと、人件費や場所代が該当します。こちらは、ジュースが売れても売れなくても、固定的に支払う必要があります。

損益分岐点
損益分岐点は重要です。
過去問(H22春IP)を見てみましょう。
問6 企業の売上高,固定費及び変動費が分かっているとき,損益分岐点比率,損益分岐点売上高及び変動費率は,それぞれ次の式で求めることができる。これらの式から言える適切な記述はどれか。
 損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷売上高
 損益分岐点売上高=固定費÷(1一変動費率)
 変動費率=変動費÷売上高
ア 売上に占める固定費が大きいほど,損益分岐点比率は低くなり,利益は増加する。
イ 損益分岐点比率が高いほど,売上に対する利益は多くなる。
ウ 損益分岐点比率が低いほど,売上に対する利益は多くなる。
エ 変動費率が高くなれば,損益分岐点比率は低くなり,利益も低下する。
ア:固定費が大きいほど、損益分岐点は高くなります。
イ:損益分岐点比率が高いほど,売上に対する利益は小さくなります。
ウ:正解選択肢です。
エ:変動費率が高くなれば,損益分岐点比率は高くなります。

ここにありますように、損益分岐点売上高は、以下の式で求められます。
 損益分岐点売上高=固定費÷(1一変動費率)
 変動費率=変動費÷売上高

では、過去問(H21春AP午前)を基に、損益分岐点売上高を計算してみましょう。
問77 表は,ある企業の損益計算書である。損益分岐点は何百万円か。
h21

ア 250  イ 490  ウ 500  エ 625
先ほどの式に当てはめます。固定費は200+300=500。売上高700のときの変動費は100+40=140です。
変動費率は、140÷700=0.2。損益分岐点売上高は、500÷(1-0.2)=625です。
よって正解はエです。図に表すと以下になります。
損益分岐点

損益分岐点は、固定費や変動費率の変化によって、どうなるでしょうか。たとえば、固定費の変化で考えます。以下の図のように、固定費が下がると、損益分岐点は下がり、固定費が上がると、損益分岐点も上がります。
a

図は割愛しますが、変動費率も同じです。変動費率が下がると、損益分岐点は下がり、変動費率が上がると、損益分岐点も上がります。

■H29秋
問77 今年度の事業損益実績は表のとおりである。来年度の営業利益目標を240百万円としたとき,来年度の目標売上高は何百万円か。ここで,来年度の変動費率は今年度と同じであり,製造固定費と販売固定費は今年度に比べそれぞれ80百万円,  20百万円の増加を見込む。
11-3_H29a_問77
ア 1,750     イ 1,780     ウ 1,800     エ 2,050
【正解】エ

■H28秋
問76 今年度のA社の販売実績と費用(固定費,変動費)を表に示す。来年度,固定費が5%増加し,販売単価が5%低下すると予測されるとき,今年度と同じ営業利益を確保するためには,最低何台を販売する必要があるか。
11-3_H28a_問76
ア 2,575     イ 2,750     ウ 2,778     エ 2,862
【正解】エ

問77 表の条件でA〜Eの商品を販売したときの機会損失は何千円か。
11-3_H28a_問77
ア 800     イ 1,500     ウ 1,600     エ 2,400
【正解】エ

■H27秋
問76 表から,卸売業A社と小売業B社の財務指標を比較したとき,卸売業A社について適切な記述はどれか。
11-3_H27a_問76
ア 売上高,総資産の額がともに低く,総資産回転率も低い。
イ 売上高営業利益率が高く,総資産営業利益率も高い。
ウ 営業利益,総資産の額がともに低く,総資産営業利益率も低い。
エ 総資産回転率が高く,総資産営業利益率も高い。
【正解】エ

問77 表のような製品A,  Bを製造,販売する場合,考えられる営業利益は最大で何円になるか。ここで,機械の年間使用可能時間は延べ15,000時間とし,年間の固定費は製品A,  Bに関係なく15,000,000円とする。
11-3_H27a_問77
ア 3,750,000   イ 7,500,000   ウ 16,250,000   エ 18,750,000
【正解】イ

■H27春
問77 今年度のA社の販売実績と費用(固定費,変動費)を表に示す。来年度,固定費が
  5%上昇し,販売単価が5%低下すると予測されるとき,今年度と同じ営業利益を確保
  するためには,最低何台を販売する必要があるか。
11-3_H27h_問77
ア 2,575     イ 2,750     ウ 2,778     エ 2,862
【正解】エ

問78 取得原価30万円のPCを2年間使用した後,廃棄処分し,廃棄費用2万円を現金で支払った。このときの固定資産の除却損は廃棄費用も含めて何万円か。ここで,耐用年数は4年,減価償却は定額法,定額法の償却率は0.250,残存価額は0円とする。
ア 9.5     イ 13.0     ウ 15.0     エ 17.0
【正解】エ
 減価償却費は、定額法なので、毎年一定です。償却率は0.250なので、30万円×0.250=7.5万円が毎年の減価償却費です。2年間使用したので、2年後の残存価値は 30万円−7.5万円−7.5万円=15万円です。まだ15万円の価値があるのに廃棄しているので、15万円の損失です。さらに、廃棄費用が2万円追加で発生しているので、合計17万円が、除却することによる損失です。 

■H26秋
問77 最大利益が見込める新製品の設定価格はどれか。ここで,いずれの場合にも,次の
  費用が発生するものとする。
    固定費:1,000,000円
    変動費:600円/個
11-3_H26a_問77
ア 1,000     イ 1,200     ウ 1,400     エ 1,600
【正解】エ

損益分岐点に関する過去問をいくつか

平成29年春期 午前 問77
問77 損益分岐点の特性を説明したものはどれか。

ア 固定費が変わらないとき,変動費率が低くなると損益分岐点は高くなる。
イ 固定費が変わらないとき,変動費率の変化と損益分岐点の変化は正比例する。
ウ 損益分岐点での売上高は,固定費と変動費の和に等しい。
エ 変動費率が変わらないとき,固定費が小さくなると損益分岐点は高くなる。
【正解】ウ
ア:変動費率が低くなると、損益分岐点は低くなります。
イ:変動費率と損益分岐点の変化は関連がありますが、正比例ではありません。
ウ:正解選択肢です。
エ:固定費が小さくなると、損益分岐点比率は低くなります。

過去問(H28春AP午前)
問77 損益計算資料から求められる損益分岐点売上高は,何百万円か。
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ア 225 イ 300 ウ 450  エ 480
固定費は、100+80=180。売上高500のときの変動費は200+100=300。変動費率は300÷500=0.6
損益分岐点売上高は180÷(1-0.6)=450
【正解】ウ

■H29春(H27春AP午前問61と同じ)
問61 情報戦略の投資効果を評価するとき,利益額を分子に,投資額を分母にして算出するものはどれか。
ア EVA     イ IRR    ウ NPV   エ ROI
【正解】エ

■H27秋
問62 情報化投資計画において,投資効果の評価指標であるROIを説明したものはどれか。
ア 売上増やコスト削減などによって創出された利益額を投資額で割ったもの
イ 売上高投資金額比,従業員当たりの投資金額などを他社と比較したもの
ウ 現金流入の現在価値から,現金流出の現在価値を差し引いたもの
エ プロジェクトを実施しない場合の,市場での競争力を表したもの
【正解】ア

応用情報技術者試験のシラバスには、以下の記載があります。

(1)企業活動と会計
売上と利益の関係
売上高と利益,費用の関係,固定費,変動費,原価を理解する。また,損益分岐点,安全余裕率など関連する指標,変動費及び固定費の変化との関連を理解する。

用語例 販売量,機会損失,利益図表,限界利益図表,目標利益売上高,費用分解原価計算,原価制度,原価分析,原価構成,原価管理,変動損益計算書,損益分岐点

企業会計の手順
企業活動に対応させて,取引情報(伝票),日常業務としての取引とその記録(仕訳),会計期間ごとに決算及び実績評価を行うことを理解する。

用語例 仕訳帳,現預金出納帳,総勘定元帳

決算の仕組み
決算の目的,仕組み,決算で作成される諸表の種類と特徴を理解する。また,子会社を含む企業グループを一つの組織とみなして決算する連結会計の目的,作成される諸表を理解する。

用語例 中間決算,四半期決算,試算表,精算表,貸借対照表,損益計算書,キャッシュフロー計算書,株主資本等変動計算書,連結貸借対照表,連結損益計算書,連結キャッシュフロー計算書,連結株主資本等変動計算書,支配力基準,有価証券報告書,会計監査,決算公告,決算短信,のれん,IFRS

財務諸表
貸借対照表,損益計算書,キャッシュフロー計算書,株主資本等変動計算書の目的,各諸表の貸方・借方の構成など,財務諸表の見方を理解する。また,売上総利益,営業利益,経常利益などの計算方式を理解する。
用語例 流動資産,固定資産,有形固定資産,無形固定資産,繰延資産,流動負債,固定負債,純資産,株主資本,費用,収益,販売費及び一般管理費,営業損益,営業外損益,特別損益,発生主義,保守主義

(2)財務会計と管理会計
企業会計には,法的に定められた情報公開の仕組みである財務会計,企業活動の見直しや経営計画の策定に直結する情報を管理する仕組みである管理会計があることを理解する。

用語例 会計基準,国際会計基準,税効果会計,ソフトウェア会計,減損会計,時価会計,退職給付会計,リース会計,工事進行基準,企業会計原則,財務諸表等規則,連結財務諸表規則,原価計算,個別原価計算,総合原価計算,標準原価計算,直接原価計算,ABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算),原価企画

(3)財務諸表の分析
経営分析や経営診断の目的を理解する。また,実数法,比率法などの財務分析手法の考え方,種類と特徴,代表的な財務指標を理解する。
用語例 内部分析,外部分析,趨勢すうせい法,構成比率,関係比率,静態分析,動態分析,収益性指標,資本利益率,売上高利益率,資本回転率,ROA(Return On Assets:総資産利益率),ROE(Return On Equity:自己資本利益率),ROI(Return on Investment:投資利益率),安全性指標,流動性,流動比率,自己資本比率,付加価値,生産性,資本生産性,労働生産性,分配率, EVA(Economic Value Added:経済的付加価値)
(4)キャッシュフロー会計
キャッシュフロー会計の目的,キャッシュフロー計算書の対象と構成,キャッシュフロー会計の有効性を理解する。

用語例 キャッシュフロー経営,営業活動によるキャッシュフロー,投資活動によるキャッシュフロー,財務活動によるキャッシュフロー,フリーキャッシュフロー

(5)資金計画と資金管理
経営活動に必要な資金を調達し,効率的な投資,キャッシュフローの維持ができるよう計画,調整する資金計画と資金管理の必要性や目的,資金の調達方法を理解する。

用語例 キャッシュマネジメント,資金繰り表,社債,増資,企業間信用,自己金融,ネッティング

(6)資産管理
資産管理の目的,在庫の評価方法,減価償却,償却費を理解する。また,リースとレンタルの特徴,仕組みを理解する。
用語例 棚卸資産評価,先入先出法,総平均法,移動平均法,資産運用,ファイナンスリース,オペレーションリース,オフバランス

(7)経済性計算
投資が適切かどうかを判断するためのDCF(Discounted Cash Flow:割引現金収入価値)法,IRR(Internal Rate of Return:内部利益率)法などの経済性計算の手法を理解する。

用語例 NPV(Net Present Value:正味現在価値)法,DPP(Discounted Pay-Back Period:割引回収期間)法,コーポレートファイナンス,事業価値評価,採算比較

売上総利益
営業利益
経常利益
税引き前当期利益など、色々ある。

「なぜあの会社は儲かるのか?」(日本経済新聞社)には「米国には『ケイツネ』はないし、特別損益もほとんどない。なぜないかと言えば、米国では特別な損益要因などないと考えるからである」と述べられている。確かに、営業収支が赤だったから株を売却して黒字にする、という調整ができてしまう。

H21ST午前24では、「EVA(経済付加価値)の算出方法」の説明として、「利益から資本費用(投資額×資本コスト)を引いて金額を求める」とある。
式でいうと、
EVA=税引後営業利益-投下資本×加重平均資本コスト
これがよく分からない。単純に当期利益ではダメなのか?と思ってしまう。配当金や役員報酬も除いているから、負債の調達コストのみならず、賃金調達コストも考慮している。また、税引後営業利益を使っているのもポイント。普通は経常利益でしょう。ということは、受取利息や支払利息が入っていない。この点は、事業本来の価値を求めるという観点から分からなくもない。

財務会計、税務会計、管理会計の3つがある。
財務会計は株主などに説明するもの
税務会計は
管理会計は社内用。ということは、社外には公表できないなにかがあるのか・・・


そもそも、なぜ3つあるのか、そこを理解したい。
全部一緒でいいだろう。なにか嘘をつく必要があるのか。


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