コンピュータの構成要素については、設問で直接問われることはあまりありません。問われるのはディスプレイくらいです。
ですが、ここで登場するキーワードは知っている前提で使われます。コンピュータの全体像を説明するのに必要でしょうから、シラバスのキーワードをもとに簡単に解説します。
1.コンピュータの構成要素
コンピュータは、5つの装置で構成されます。具体的には、演算装置,制御装置,記憶装置,入力装置,出力装置です。装置 | 装置の例 | 解説 |
入力装置 | キーボード、マウス、スキャナ、カメラ(PC内蔵など)、バーコードリーダ、OCR、外付けのICカードリーダ | コンピュータに対して、文字や数字およびクリックする行為などの情報を入力する装置 |
演算装置 | プロセッサ(CPU) | 計算処理やプログラムを実行する装置 |
制御装置 | 他の装置からの命令を受け取ったり、逆に送ったりするなど、コンピュータを制御する装置 | |
記憶装置 | メモリ、ハードディスク、USBメモリ、SDカード | コンピュータが処理する情報を記憶する装置 |
出力装置 | ディスプレイ、プリンタ | コンピュータが出す情報を表示したり、紙媒体などに印刷して出力する装置 |
■Point
5つの装置の中で、演算装置・制御装置であるCPUと、記憶装置のメモリの出題頻度は高く、詳しく問われます。このあとの節で解説します。入力装置に関する出題は過去には無く、出力装置に関しては、ディスプレイに関して少しだけ問われます。よって、ディスプレイに関して、このあと解説します。
2.ディスプレイ
①CRTディスプレイ
液晶ディスプレイが普及する以前は、多くのパソコンのディスプレイとして利用されていた、奥行きが大きなディスプレイです。
②液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)
薄型かつ消費電力が少ないディスプレイで、赤、緑、青のカラーフィルタによって色を表現します。
液晶とは結晶の液状のもの。液になっているので、薄く伸ばせる。この液晶をガラス盤に入れているので、液晶テレビは薄い
薄型かつ消費電力が少ないディスプレイで、電圧をかけると発光する発光素子に有機化合物を用います。
その他、最近は少なくなったようですが、プラズマディスプレイもありましたね。
3.コンピュータに関する過去問を解いてみよう
■H28春AP問11
問11 液晶ディスプレイ(LCD)の特徴として,適切なものはどれか。 ア 電圧を加えると発光する有機化合物を用いる。 イ 電子銃から発射された電子ビームが蛍光体に当たって発光する。 ウ 光の透過を画素ごとに制御し,カラーフィルタを用いて色を表現する。 エ 放電によって発生する紫外線と蛍光体を利用する。 |
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アは有機ELディスプレイ、イはCRTディスプレイです。
正解:ウ
■H27秋AP問11
問11 有機ELディスプレイの説明として,適切なものはどれか。 ア 電圧をかけて発光素子を発光させて表示する。 イ 電子ビームが発光体に衝突して生じる発光で表示する。 ウ 透過する光の量を制御することで表示する。 エ 放電によって発生した紫外線で,蛍光体を発光させて表示する。 |
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イはCRTディスプレイ、ウは液晶ディスプレイです。
正解:ア
■H18春AD午前問4
問4 液晶ディスプレイの特徴はどれか。 ア CRTディスプレイよりも薄く小型であるが,消費電力はCRTディスプレイよりも大きい。 イ 液晶自身は発光しないので,バックライト又は外部の光を取り込む仕組みが必要である。 ウ 同じ表示画面のまま長時間放置すると,焼付きを起こす。 エ 放電発光を利用したもので,高電圧が必要となる。 |
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アは、CRTディスプレイよりも薄く小型であるところは液晶ディスプレイの特徴です。しかし、消費電力の部分が違います。液晶ディスプレイの方が消費電力が少ないのが特徴です。
ウはCRTです。
正解:イ