カテゴリ:11.企業と法務 > 11.1 経営・組織論

問74 ワークシェアリングの説明はどれか。

ア 企業が継続雇用の前提として,従業員に対して他社でも通用する技術・能力の維持責任を求める一方,企業も従業員の能力開発を積極的に支援する。
イ 従業員1人当たりの労働時間を短縮したり仕事の配分方法を見直したりするなど,労働者間で労働を分かち合うことで雇用維持・創出を図る。
ウ 専門業務や企画業務における労働時間は,実際の労働時間に関係なく,労使恊定であらかじめ取り決めた労働時間とみなす。
エ 能力主義と実績主義の徹底,経営参加意識の醸成,業績向上へのインセンティブなどを目的に,職務と能力,業績を基準に報酬を決める。
正解は、イです。

この分野の出題は非常に少ない
平成28年春期 午前問74 SRI
平成28年春期 午前問75 経営管理 行動科学 PM理論
平成28年春期 午前問76 多様な働き方・生き方が選択できる社会
H25年 リーダシップ など

応用情報技術者試験シラバスには、以下の記載があります。
(1)企業活動
① 企業活動と経営資源
企業は,経済的機能,営利活動,所有と経営の分離,市場での独立性などの多面的性質をもつ有機的な組織体であることを理解する。また,ヒト,モノ,カネ,情報に対する管理を理解する。
用語例 企業理念,CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任),企業文化(風土),グリーンIT
② 企業形態
企業形態の分類と特徴,準則主義,有限責任性,会社機関の分化などの特徴を理解する。
用語例 持分会社,株式会社,株式公開(IPO
③ 企業の特徴
所有と経営の分離ゴーイングコンサーン(継続的事業体),企業目的の多様化など,企業の特徴を理解する。

用語例 コーポレートガバナンス, IR ( Investor Relations ), BCP ( BusinessContinuity Plan:事業継続計画),コーポレートアイデンティティ,コーポレートブランド

(2)経営管理
経営管理とは
企業の目的を達成するために企業活動を円滑に行い,経営資源の最適配分,有効活用の仕組み作りと運用を行う経営管理の必要性,目的を理解する。また,経営管理には人的資源管理,品質管理,生産管理などが含まれること,マネジメントサイクルの考え方などを理解する。

用語例 経営目標,経営計画,事業計画,業績評価,PDCA,財務・資産・人事・情報管理,TQM (Total Quality Management:総合的品質管理)

経営管理の理論と展開
組織と意思決定に関する科学的アプローチの考え方,バーナード,サイモンらによる近代的経営管理論とシステム工学の関係,システム工学の特徴を理解する。

用語例 科学的管理法,経営過程論,協働システム,一般システム理論

③ ヒューマンリソースマネジメント
経営管理におけるヒューマンリソースマネジメント(人的資源管理)の重要性,OJT,目標管理,人材開発,裁量労働制など人的資源管理の手法と考え方を理解する。

用語例 エンプロイヤビリティ,年俸制,コンピテンシ,コーチング,メンタリング,ケーススタディ,e-ラーニング,ジョブローテーション,キャリア開発,選抜型人事,CDP(Career Development Program:キャリアデベロップメントプログラム),タレントマネジメント,HPI(High Potential Individual),MBO(Management by Objectives : 目標管理制度), ワークライフバランスEAP ( Employee Assistance Program:従業員支援プログラム),ワークシェアリングダイバーシティ

④ 行動科学
リーダシップ,コミュニケーション,ネゴシエーションなど企業組織における人間行動のあり方,テクニカルライティング,プレゼンテーションなどの伝えるためのモチベーション管理,コンフリクト管理の重要性,管理手法を理解する。

用語例 ロジカルシンキング,グループダイナミクス親和図ブレーンストーミング,マズロの欲求段階説,動機づけ・衛生理論,XY 理論,期待理論,内発的動機づけ,PM 理論,SL(Situational Leadership)理論,コンティンジェンシー理論

⑤ リスクマネジメント
企業価値を維持,向上させる上で障害となるリスクの分析,及び災害などが発生した場合にも必要な事業を継続するための計画策定の重要性を理解する。
[リスク分析手順の例]
(ⅰ)リスクの想定,(ⅱ)想定したリスクの影響の分析,(ⅲ)重要な業務の選定,(ⅳ)重要な業務を継続させるための計画の立案,(ⅴ)実施可能な体制の整備,(ⅵ)継続して改善するために指針となる計画の策定

用語例 BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画),BCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント), JIS Q 22301(ISO 22301),事業影響度分析(BIA)

(3)経営組織
経営者の職能, CEO ( Chief Executive Officer : 最高経営責任者), CIO ( Chief Information Officer:最高情報責任者)などの役職,代表的な組織構造の種類と特徴を理解する。

用語例 階層型組織(ピラミッド型組織),フラット型組織,職能別組織,ラインアンドスタッフ組織,機能別組織,事業部制組織,マトリックス組織,カンパニ制組織,プロジェクト組織,CEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者),CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者),CISO(Chief Information Security Officer : 最高情報セキュリティ責任者), CPO ( Chief Privacy Officer:最高プライバシー責任者),CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者),COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者

(4)経営環境の変化
国際化,業際化,ワークライフバランスを考慮した勤務形態など現代企業の特徴と経営環境の変化,及び企業が取り組むべき課題を理解する。

用語例 企業環境の内部化,IR(Investor Relations),ディスクロージャアカウンタビリティ持株会社,グループ経営,SRI(Socially Responsible Investment:社会的責任投資),環境経営,サテライトオフィス,在宅勤務,SOHO(Small Office Home Office),企業市民

(5)コンピュータリテラシ
企業活動にコンピュータの利用は不可欠であり,コンピュータを使いこなす能力を意味するコンピュータリテラシの普及や向上を図ることの必要性,有効性を理解する。

1.経営管理とは
応用情報のシラバスhttps://www.jitec.ipa.go.jp/1_13download/syllabus_ap_ver3_0.pdf)には、以下の記載があります。
経営管理とは
企業の目的を達成するために企業活動を円滑に行い,経営資源の最適配分,有効活用の仕組み作りと運用を行う経営管理の必要性,目的を理解する。また,経営管理には人的資源管理,品質管理,生産管理などが含まれること,マネジメントサイクルの考え方などを理解する。
経営管理という言葉は、やや漠然とした言葉だと思います。経営目標にしたがって、人・物(資産)・金(財務)、情報をきちんと管理し、PDCA(plan:計画,do:実行,check:評価,act:改善)によるマネジメントをすると考えておきましょう。あとは過去問を解きながら理解しましょう。

2.リスクマネジメント
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)
BCM(Business Continuity Management:事業継続管理

両者の言葉については、以下に解説しています。
http://sc.seeeko.com/archives/3829234.html

また、BIA(事業影響度分析)という言葉も理解しておきましょう。

3.ヒューマンリソースマネジメント
ヒューマンリソースマネジメント(人的資源管理)の方法にはいくつかありますが、MBO(Management by Objectives:目標による管理)を理解しましょう。
MBO
日本の人事評価制度は、年功序列型から実力・成果主義に移行しているところが多いことでしょう。実力成果主義の評価をするための方法として、MBO(目標による管理)があります。上司と部下が目標を定め、意識合わせをします。
経営陣による自社株買いである「MBO(Management Buy Out)」ではないので、注意が必要です。MBOについては以下です。
http://sm.seeeko.com/archives/65793743.html

1.CSRコンプライアンス
CSR(Corporate Social Responsibility)は「企業の社会的責任」と言われ、単なる法令順守(コンプライアンス)以上に、積極的な社会活動です。CSRに関して、過去問(H21年秋AP午前問66 )では、「企業は組織の決定や活動が社会や環境に及ぼす影響に責任をもつ」とあります。ちなみに、同じ過去問(不正解選択肢)では、コンプライアンスに関して「企業が法律,規則などのルールに従って活動する」とあります。

2.SRI
社会的責任投資のこと。CSRとの違いがややこしい。CSRは企業の社会的責任であり、企業側の行為である。一方、SRIは企業側ではなく、公共機関やファンドなど、企業に投資する側、又は株主がCSRの取り組み状況を考慮して投資を行うことである。
H22ST午前2-21では、SRIの説明として「財務評価だけでなく、社会的責任への取り組みも評価して、企業への投資を行う」と述べられている。

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