カテゴリ:11.企業と法務 > 11.6 労働関連・取引関連法規

■H29秋
問78 企業が請負で受託して開発したか,又は派遣契約によって派遣された社員が開発したプログラムの著作権の帰属に関し契約に定めがないとき,著作権の原始的な帰属はどのようになるか。
ア 請負の場合は発注先に帰属し,派遣の場合は派遣先に帰属する。
イ 請負の場合は発注先に帰属し,派遣の場合は派遣元に帰属する。
ウ 請負の場合は発注元に帰属し,派遣の場合は派遣先に帰属する。
エ 請負の場合は発注元に帰属し,派遣の場合は派遣元に帰属する。
【正解】ア

問80 ソフトウェアやデータに瑕疵がある場合に,製造物責任法の対象となるものはどれか。
ア ROM化したソフトウェアを内蔵した組込み機器
イ アプリケーションソフトウェアパッケージ
ウ 利用者がPCにインストールしたOS
エ 利用者によってネットワークからダウンロードされたデータ
【正解】ア
製造物責任法とは、製造物の欠陥によって利用者が損害を被った場合、被害を受けた利用者が、製造メーカーに対して、損害賠償を求めることができるもの。
ただし、ソフトウェアは対象外で、瑕疵ががるソフトウェアを内蔵した機器の場合にこの法律の対象となります。

■H28春
問80 ソフトウェアやデータに瑕疵がある場合に,製造物責任法の対象となるものはどれか,
ア ROM化したソフトウェアを内蔵した組込み機器
イ アプリケーションのソフトウェアパッケージ
ウ 利用者がPCにインストールしたOS
エ 利用者によってネットワークからダウンロードされたデータ
【正解】ア

■H26秋
問80 発注者と受注者の間でソフトウェア開発における請負契約を締結した。ただし,発
  注者の事業所で作業を実施することになっている。この場合,指揮命令櫂と雇用契約
  に関して,適切なものはどれか。
ア 指揮命令権は発注者にあり,さらに,発注者の事業所での作業を実施可能にする
 ために,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶ。
イ 指揮命令権は発注者にあり,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注
 者と結ぶことなく,発注者の事業所で作業を実施する。
ウ 指揮命令権は発注者にないが,発注者の事業所での作業を実施可能にするために,
 受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶ。
エ 指揮命令権は発注者になく,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注
 者と結ぶことなく,発注者の事業所で作業を実施する。
【正解】エ

■H24春
問80 労働者派遣法において,派遣先の責任として定められているものはどれか。
ア 雇用関係終了後の雇用に関する制限を行わないこと
イ 派遣契約内容を派遣労働者を指揮命令する者やその他の関係者に周知すること
ウ 労働者の希望や能力に応じた就業の機会を確保すること
エ 労働者の教育訓練の機会を確保すること

正解:イ

■H25秋AP
問80 情報システム開発において適用される契約形態のうち,準委任契約について説明したものはどれか。
ア 業務分析やIT戦略のコンサルティングなど,作業や事務の遂行を約束する契約である。仕事の完成は約束されないが,委託元の求めに応じて報告の義務がある。
イ ハードウェアやソフトウェアパッケージを貸主から借り受け,一定期間にわたって使用することに対する費用の支払を定めた契約である。
ウ 派遣元が雇用する社員を派遣先に派遣し,派遣先の上司の指揮命令や時間管理の下に派遣された社員がシステムの開発や運用に従事する契約である。
エ プログラムの制作など,仕様書などに従って定められた仕事の完成を約束する契 約である。仕事の進め方は受託側の自由裁量が認められている。

1.労働基準法
http://sm.seeeko.com/archives/65870845.html

2.労働者派遣法
http://sm.seeeko.com/archives/65870844.html
リンク先では細かなところまで記載をしていますが、基本的なところを押さえておけばいいでしょう。
所詮はマークシートです。
応用情報技術者試験では、労働者派遣に関して何度か出題されています。

3.企業間の取引にかかわる契約
①請負契約,派遣契約,準委任契約
http://sm.seeeko.com/archives/65870857.html

②ソフトウェア使用許諾契約
http://sm.seeeko.com/archives/65870860.html

問80 発注者と受注者の間でソフトウェア開発における請負契約を締結した。ただし,発注者の事業所で作業を実施することになっている。この場合,指揮命令権と雇用契約に関して,適切なものはどれか。

ア 指揮命令権は発注者にあり,さらに,発注者の事業所での作業を実施可能にするために,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶ。
イ 指揮命令権は発注者にあり,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶことなく,発注者の事業所で作業を実施する。
ウ 指揮命令権は発注者にないが,発注者の事業所での作業を実施可能にするために,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶ。
エ 指揮命令権は発注者になく,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶことなく,発注者の事業所で作業を実施する。
正解は、エです。

労働関連・取引関連法規に関して、応用情報技術者試験シラバスでは、以下のキーワードがあります。
(1)労働関連の法規
労働基準法
労働条件の最低基準を定めた労働基準法に関し,就業規則,賃金,労働時間,労働災害,解雇・退職・定年制などを理解する。

用語例 36 協定,裁量労働制フレックスタイム制,母性保護

② 労働者派遣法
労働者を派遣する場合,労働者,派遣先,派遣元の三者がどのような契約に基づいて,どのような関係にあるかを理解する。また,派遣契約と請負契約の特徴を理解する。

用語例 労働者派遣契約,雇用契約,指揮命令,偽装請負二重派遣の禁止

③ その他の法律
その他の労働関連法規を理解する。

用語例 労働契約法,労働安全衛生法男女雇用機会均等法,育児・介護休業法,パートタイム労働法,公益通報者保護法

(2)取引関連の法規
① 下請法
下請法の目的,規制の対象,仕組みを理解する。

用語例 製造委託,役務提供委託,情報成果物,親事業者,下請事業者,資本金
民法
契約の基礎,売買契約の成立,効力,履行・不履行など,民法で規定される取引法と取引上重要な制度の仕組みを理解する。

用語例 (準)委任契約,請負契約,実費償還契約(CPIF),Time&Material 契約(T&M,CPFF),成果物の完成責任

③ 商法
商法で規定される企業間の取引上,重要な制度の仕組みを理解する。

用語例 瑕疵担保責任

④ その他
インターネットを利用した取引などで考慮すべき法律を理解する。

用語例 電子消費者契約法特定商取引法景品表示法クリエイティブコモンズパブリックドメイン

(3)企業間の取引にかかわる契約
① 外部委託契約
自社以外の事業者に業務を委託する場合に締結する契約であり,締結に当たっては関連する法律などに配慮しなければならないことを理解する。また,外部委託契約の契約形態について,請負契約と(準)委任契約の違いを理解する。

② 守秘契約
自社以外の事業者に業務を委託する際に,自社の秘密情報を開示する場合,その秘密情報を守るためにNDA(Non-Disclosure Agreement:守秘契約)を締結することを理解する。

③ ソフトウェア使用許諾契約(ライセンス契約)
ソフトウェアの知的財産権の所有者が,第三者に当該ソフトウェアの利用許諾を与える場合に条件を取り決める契約であることを理解する。また,許諾する条件により様々な契約形態があることを理解する。

用語例 ボリュームライセンス契約,サイトライセンス契約,シュリンクラップ契約,CAL(Client Access License),フリーソフトウェアシェアウェアOSSOpen Source Software)ライセンス,GPL(General Public License),LGPL(Lesser General Public License),BSD(Berkeley Software Distribution),コピーレ
フト(Copyleft

④ ソフトウェア開発契約
委託に基づいて,ソフトウェアの開発を受託するソフトウェア契約であることを理解する。

用語例 ソフトウェア開発委託モデル契約,情報システム・モデル取引・契約書

1.請負契約,準委任契約,派遣契約
それぞれの契約に関して、過去問(H25年秋AP午前問80)をもとに整理します。
 請負契約準委任契約派遣契約
概要「プログラムの制作など,仕様書などに従って定められた仕事の完成を約束する契約である。仕事の進め方は受託側の自由裁量が認められている。(H25年秋AP午前問80の不正解選択肢)」「業務分析やIT戦略のコンサルティングなど,作業や事務の遂行を約束する契約である。仕事の完成は約束されないが,委託元の求めに応じて報告の義務がある。(H25年秋AP午前問80)」「派遣元が雇用する社員を派遣先に派遣し,派遣先の上司の指揮命令や時間管理の下に派遣された社員がシステムの開発や運用に従事する契約である。(H25年秋AP午前問80の不正解選択肢)」
完成責任
瑕疵担保責任
発注者による直接指示不可不可可能

2.請負契約において不適切な行為
過去問(H16秋PM午後Ⅰ設問2)を参考にすると、以下があります。
・請負契約なのに成果物の随時の引渡しを求める
・契約相手会社の社員に対して直接指示する
・直接の契約関係にない会社に対して成果物の引渡しを求める
・直接の契約関係にない会社の社員に対して直接指示したりする

過去問(H21秋AP午前)を見てみましょう。
問79 A社はB社に対して業務システムの開発を委託し,A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から,偽装請負とされる事象はどれか。
ア A社の従業員が,B社を作業場所として, A社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。
イ A社の従業員が,B社を作業場所として,B社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。
ウ B社の従業員が,A社を作業場所として,A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。
エ B社の従業員が,A社を作業場所として,B社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。
正解はウです。A社の作業場所にて、しかも指揮命令まで受けています。これは、派遣契約の形態です。発注者側は、コストを抑えて自由に命令できるなど、偽装請負は都合がいいのです。しかし、これでは、派遣労働者の権利が守られません。

3.派遣契約
以下も参照ください。
http://sm.seeeko.com/archives/65870844.html

4.「準委任契約」と「派遣契約」の違い
システム開発の現場では、お客様先で常駐して作業することがよくあります。でも、契約内容は、「準委任契約」の「派遣契約」の両方があります。両者の違いは、上記にありますように、「作業や事務の遂行を約束する契約(準委任契約)」のか、「社員が従事する契約(派遣契約)」なのかです。 
160aac28 
 
契約する内容が、準委任では「仕事」、派遣契約では「人」ということですね。
ざっくりいうと、そうなります。準委任契約では「人」を派遣しますが、受託しているのは運用や開発などの「業務」です。発注元は、契約外の業務を、あたかも自分の部下のようにあれこれやらせることはできません(=準委任契約では直接指示ができません)。
しかし、派遣法では履行すべき義務が多いことから、準委任契約が活用されることがよくあるのです。

↑このページのトップヘ