カテゴリ:11.企業と法務 > 11.4 知的財産権

■H21春FE
問79 特許権を説明したものはどれか。
ア 産業上利用することができる新規の発明を独占的・排他的に利用できる権利であり,所轄の官庁への出願及び審査に基づいて付与される権利
イ 事業者が自己の商品を他人の商品と識別するために商品について使用する標識を,独占的・排他的に使用できる権利
ウ 新規の美術・工芸・工業製品などで,その形・色・模様・配置などについて加える装飾上の工夫を,独占的・排他的に使用できる権利
エ 文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属する著作物を,その著作者が独占的・排他的に支配して利益を受ける権利

ア:特許
イ:商標権
ウ:意匠権
エ:著作権

■H20秋FE午前
問79 特許権の付与に関して二つ以上の同一特許出願が競合した場合,我が国の特許法において優先的に取り扱われる者はどれか。
ア 抽選によって選ばれた者
ウ 最も先に出願した者
イ 特許の出願実績が最も多い者
エ 最も先に発明した者

正解はウ。先に出願した者が優先です。

■H22秋高度AM
問17 特許権に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア A社が特許を出願するより前に独自に開発して発売した製品は, A社の特許権の侵害にならない。
イ 組込み機器におけるハードウェアは特許権で保護されるが,ソフトウェアは保護されない。
ウ 審査を受けて特許権を取得した後に,特許権が無効となることはない。
エ 先行特許と同一の技術であっても,独自に開発した技術であれば特許権の侵害にならない。

正解:ア
特許出願前に出願された技術を実施していた者は「実施権(先使用権:特許法79条)」を有しているので特許権者の許諾を受けずに技術を実施して良い。ただし、A社が特許を取れば、特許の権利はA社が持つ

知的財産権ですが、産業財産権著作権に分けられます。産業財産権には、特許権実用新案権意匠権、商標権があります。情報処理技術者試験では、特に著作権法が問われます。
知的財産権
※各権利の解説は特許庁のサイト(https://www.jpo.go.jp/seido/s_gaiyou/chizai02.htm)から引用

■1.著作権とは
著作権法では、著作権の定義として「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」とあります。
分かりやすいのが、小説や音楽、絵画、建築などによる著作物があります。
情報セキュリティスペシャリスト試験_著作物

■2.著作権で保護されるもの
過去問(H24秋FE午前)を解いてみましょう。 

問79 著作権法で保護されるものはどれか。
ア アルゴリズム
イ コンパイラのプログラム
ウ プログラム言語
エ プロトコル

正解は、イのコンパイラのプログラムです。これは、プログラム言語でかかれたプログラムそのものと考えてください。
プログラムとアルゴリズムは著作物とはみなされません。ですが、プログラム言語で作成したプログラムそのものは、著作物で保護されます。

■3.ソフトウェアの著作権の帰属先は?
2つの観点で考えましょう。
観点A:会社の業務で開発したソフトウェアの著作権は誰の物?
観点B:ソフトウェア会社に開発を委託した場合の著作権は誰のもの?

どちらも、過去問をベースに考えます。

【観点A】(H23年秋IP)

問4 コンピュータプログラムに関する著作権の説明として,最も適切なものはどれか。
ア 改変が認められているフリーソフトウェアを改変した場合,改変部分も含めてその著作権は,別段の定めがない限り,元のフリーソフトウェアの著作者だけに帰属する。
イ 外部のソフトウェアハウスに委託して開発したプログラムの著作権は,別段の定めがない限り,委託元の会社に帰属する。
派遣社員が派遣先で,業務上,作成したプログラムの著作権は,別段の定めがない限り,派遣元の会社に帰属する。
エ 法人の発意に基づき,その法人の従業員が職務上作成するプログラムの著作権は,別段の定めがない限り,その法人が著作者となる。

正解は、エで、職務上作成するプログラムの著作権は、個人ではなく法人に帰属します。

【観点B】(平成23年春午前2問13)

問13 開発されたプログラムの著作権の帰属に関する規定が契約に定められていないとき,著作権の原始的な帰属はどのようになるか。
ア 請負の場合は発注先に,派遣の場合は派遣先に帰属する。
イ 請負の場合は発注先に,派遣の場合は派遣元に帰属する。
ウ 請負の場合は発注元に,派遣の場合は派遣先に帰属する。
エ 請負の場合は発注元に,派遣の場合は派遣元に帰属する。

正解はアです。請負の場合は、開発作業が完全に発注先に任されているからです。一方、派遣の場合は、派遣された先の会社の責任で開発するので、著作権保有することになります。

■4.著作権の保護期間
(1)権利の成立
特許の場合は、出願して登録されてはじめて権利が認められます。ところが著作権は、「著作物を創作したときに著作権が発生(H27秋IP問1より)」します(無方式主義と言います)。

(2)権利の保護期間
特許の権利は出願から20年です。著作権はどうでしょうか。過去問(H23春PM午前2)を見ましょう。

問24 法人が作成し,公開,発売したソフトウェアの著作権の権利期間は公開から何年か。
ア 15  イ 20  ウ 30  エ 50

正解はエの50年です。ちなみに、個人の場合は、著作権者の死後50年です。

■H28秋
問78 日本において,産業財産権と総称される四つの権利はどれか。
ア 意匠権実用新案権,商標権,特許権
イ 意匠権実用新案権著作権特許権
ウ 意匠権,商標権,著作権特許権
エ 実用新案権,商標権,著作権特許権
【正解】ア

■H27秋
問78 Webページの著作権に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 営利目的ではなく趣味として,個人が開設しているWebページに他人の著作物を無断掲載しても,私的使用であるから著作権の侵害とはならない。
イ 作成したプログラムをインターネット上でフリーウェアとして公開した場合,配布されたプログラムは,著作権法による保護の対象とはならない。
ウ 試用期間中のシェアウェアを使用して作成したデータを,試用期間終了後もWebページに掲載することは,著作権の侵害に当たる。
エ 特定の分野ごとにWebページのURLを収集し,独自の解釈を付けたりンク集は,著作権法で保護される。
【正解】エ

■H27春
問79 A社は顧客管理システムの開発を,情報システム子会社であるB社に委託し,B社は要件定義を行った上で,設計・プログラミング・テストまでを,協力会社であるC社に委託した。C社ではD社員にその作業を担当させた。このとき,開発したプログラムの著作権はどこに帰属するか。ここで,関係者の間には,著作権の帰属に閧する特段の取決めはないものとする。

ア A社     イ B社     ウ C社     エ D社員

【正解】ウ

 

1.知的財産権とは

まず、知的財産権の全体像は以下です。
http://sc.seeeko.com/archives/5215773.html

特に、著作権法を理解しましょう。プログラムの著作物の扱いが、過去に何度か問われました。
http://sc.seeeko.com/archives/5128693.html

2.不正競争防止法とは

個人情報保護法について、「組織における内部不正防止ガイドラインhttp://www.ipa.go.jp/files/000044615.pdf)」の解説を引用します。
試験概要に、このガイドラインからの出題がある記載があったからです。

(2) 不正競争防止法
不正競争防止法では「営業秘密」の保護に関する規定が置かれており、内部者等が営業秘密を不正に使用・開示等を行うことに対して、民事上の差止請求等が認められているとともに、違法性の高い侵害行為については刑事罰も適用されます。ただし、営業秘密として認められるには、その情報が有用かつ公然と知られておらず、秘密として管理されていることが必要です。

ポイントは、「営業秘密として認められる条件」です。ここにあるように、「その情報が有用」「公然と知られておらず」「秘密として管理されている」ことが必要です。不正競争防止法に関しては、以下に詳しく記載しています。
http://sc.seeeko.com/archives/3608018.html

3.過去問にチャレンジ

これらの権利関係に関する過去問を解いてみましょう。
これは、情報セキュリティアドミニストレータ(H16秋SU午後Ⅰ問1)の問題です。

⑪D課長:コンピュータに詳しくなくても,他人のネットワークに不正侵入を試みることができるソフトウェアも出回っているようだね。
⑫N部長:そのような行為を防止するために,[ a ]が2000年に施行されたわけだ。
⑬D課長:最近,新聞などに個人情報とプライバシの問題が採り上げられているね。確かに今,情報を利用するときのモラルについて教育することも不可欠だと思うね。
⑭T主任:情報セキュリティに対する意識や知識が不足していると,自分では気付かずに法に触れてしまうこともあります。第三者のホームページの記事を許可なく転載すると,[ b ]権を侵害する場合があります。また,ソフトウェアを無断でコピーし利用すると,[ b ]権だけでなく,進歩性のあるアイデアを保護する[ c ]権も侵害する場合があります。
⑮B課長:情報漏えいは,内部の人間によるものが多いという新聞記事を見た。
⑯N部長:過去の情報漏えいの事例を見ると,やはり内部の人間が持ち出すケースがほとんどだね。従業員の管理を徹底させることが重要だ。
⑰C課長:内部の人間による不正を防ぐためには,教育と併せて,社内のチェック体制を確立することも大事だ。外部への業務委託のチェック体制としては,委託先に管理者を置き,その管理者に任せるようにしよう。ところで,万が一,秘密情報が漏えいした場合,その使用と開示を差し止めることはできるのか。
⑱T主任:差し止めることができる法律としては,不正競争防止法があります。ただし,差止め権を行使することができるのは,[ d ]情報のうち,顧客情報や製造方法など事業活動に[ e ]技術上又は営業上の情報であり,客観的に秘密情報として管理されていることが必要条件になります。

設問1 本文中の[ a ]~[ e ]に入れる適切な字句を答えよ。
(1)[ a ]については,当てはまる法律名を20字以内で述べよ。
(2)[ b ],[ c ]については,それぞれ2字以内で答えよ。
(3)[ d ],[ e ]については,解答群の中から選び,記号で答えよ。
 解答群
 ア 希少な  イ 貴重な  ウ 自社の  エ 非公知の オ 有用な





【解答】
設問1 
(1) a 不正アクセス禁止法不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(2) b 著作    c 特許
(3) d エ    e オ

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