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SFAとは、「営業活動にITを活用して営業の効率と品質を高め,売上・利益の大幅な増加や,顧客満足度の向上を目指す手法・概念である(H27秋AP問69)」。
H27春IP問13では、「SFAの目的」に関して、「蓄積された知識やノウハウを組織全体で共有し,営業活動の効率と管理水準の向上を図る」とあります。

CRM (Customer Relationship Management : 顧客関係管理)です。
過去問では、「企業内の全ての顧客チャネルで情報を共有し,サービスのレベルを引き上げて顧客満足度を高め,顧客ロイヤリティの最大化に結び付ける考え方である(H29秋AP問68)」とあります。

SCM(Supply Chain Management)は,企業間を含めたモノの流れをサプライチェーン(Supply Chain)と言い、このサプライチェーンを適切に管理する考え方です。

過去問では、以下のようにあります。
「原材料の調達から生産,販売に関する情報を,企業内や企業間で共有・管理することで,ビジネスプロセスの全体最適を目指すための支援システム(H27秋IP午前問6)」
「部品や資材の調達から製品の生産,流通,販売までの,企業間を含めたモノの流れを適切に計画・管理し,最適化して,リードタイムの短縮,在庫コストや流通コストの削減などを実現しようとする考え方(H26秋AP午前問69)」

H26秋AP午前
問69 部品や資材の調達から製品の生産,流通,販売までの,企業間を含めたモノの流れを適切に計画・管理し,最適化して,リードタイムの短縮,在庫コストや流通コストの削減などを実現しようとする考え方はどれか。

ア CRM     イ ERP     ウ MRP     エ SCM

【正解】エ

■SCM(Supply Chain Management)
過去問(H27秋IP午前問6)では、SCMシステムの説明として,「原材料の調達から生産,販売に関する情報を,企業内や企業間で共有・管理することで,ビジネスプロセスの全体最適を目指すための支援システム」とあります。

過去問を見てみよう!
平成29年春期 午前
問67 SCMの目的はどれか。

ア 顧客情報や購買履歴,クレームなどを一元管理し,きめ細かな顧客対応を行うことによって,良好な顧客関係の構築を目的とする。
イ 顧客情報や商談スケジュール,進捗状況などの商談状況を一元管理することによって,営業活動の効率向上を目的とする。
ウ 生産,販売,在庫管理,財務会計,人事管理など基幹業務のあらゆる情報を統合管理することによって,経営効率の向上を目的とする。
エ 複数の企業や組織にまたがる調達から販売までの業務プロセス全ての情報を統合的に管理することによって,コスト低減や納期短縮などを目的とする。
正解は、エです。

アンゾフが提唱する成長マトリクスとは、製品と市場の視点から,事業拡大の方向性を市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化に分けて,戦略を検討することです。製品、市場のそれぞれにおいて、既存か新規で分類すると、4つの戦略は次の図のように配置されます。
1

 戦略の例は以下です。
①市場浸透
 現在の市場で現有製品の広告,宣伝を強化し,顧客の購入頻度や購入量を増やす。
②製品開発
 新たな機能を付加した製品や新規に開発した製品を,現在の市場に投入する。
③市場開拓
 現有製品で海外市場に進出し,新たな市場セグメントの開拓を図る。
④多角化
 技術開発,業務提携, M&Aなどで,新たな製品や市場での成長の機会を求める。

■過去問を解いてみましょう
①H28秋
問68 アンゾフが提唱する成長マトリクスを説明したものはどれか。
ア 自社の強みと弱み,市場における機会と脅威を,分類ごとに列挙して,事業戦略における企業の環境分析を行う。
イ 製品と市場の視点から,事業拡大の方向性を市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化に分けて,戦略を検討する。
ウ 製品の市場占有率と市場成長率から,企業がそれぞれの事業に対する経営資源の最適配分を意思決定する。
エ 製品の導入期・成長期・成熟期・衰退期の各段階に応じて,製品の改良,新品種の追加,製品廃棄などを計画する。





ア:SWOT分析
イ:成長マトリックス
ウ:PPM
エ:プロダクトライフサイクル
【正解】イ

②H24秋AP
問68 アンゾフの成長マトリクスにおける多角化戦略に当てはまるものはどれか。
ア 新たな機能を付加した製品や新規に開発した製品を,現在の市場に投入する。
イ 技術開発,業務提携, M&Aなどで,新たな製品や市場での成長の機会を求める。
ウ 現在の市場で現有製品の広告,宣伝を強化し,顧客の購入頻度や購入量を増やす。
エ 現有製品で海外市場に進出し,新たな市場セグメントの開拓を図る。





ア:製品開発
イ:多角化
ウ:市場浸透
エ:市場開拓
正解は、イ

コアコンピタンスとは、「企業の活動分野において,競合他社にはまねのできない卓越した能力(H29春FE問67)」のことです。


H29春FE
問67 コアコンピタンスの説明はどれか。
アイウ工
企業の活動分野において,競合他社にはまねのできない卓越した能力
経営を行う上で法令や各種規制,社会的規範などを遵守する企業活動
市場・技術・商品(サービス)の観点から設定した,事業の展開領域
組織活動の目的を達成するために行う,業務とシステムの全体最適化手法


正解は、ア


M&A(Mergers and Acquisitions)は、言葉の通り、企業のMergers(合併)や買収(Acquisition)です。過去問では「新規分野への進出や,事業の拡大,再編などのために,他社の経営資源を獲得し活用すること(H23秋AP問66)」とあります。
 
問66 M&Aを説明したものはどれか。
ア 企業独自のノウハウや技術などによって競争優位を維持・強化できる分野に対して,資金と人材を集中的に投入する。
イ 自社の業務プロセスを改革する際に,他社のベストプラクティスと比較分析を行う。
ウ 新規分野への進出や,事業の拡大,再編などのために,他社の経営資源を獲得し活用する。
工 それぞれの事業を,市場成長率と市場占有率マトリックスによって分析し,経営資源の最適な配分を行う。


正解はアです。

■H29秋
問68 CRMを説明したものはどれか。
ア 卸売業者・メーカが,小売店の経営活動を支援してその売上と利益を伸ばすことによって,自社との取引拡大につなげる方法である。
イ 企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し,経営の高効率化を図るための手法である。
ウ 企業内の全ての顧客チャネルで情報を共有し,サービスのレベルを引き上げて顧客満足度を高め,顧客ロイヤリティの最大化に結び付ける考え方である。
エ 生産,在庫,購買,販売,物流などの全ての情報をリアルタイムに交換することによって,サプライチェーン全体の効率を大幅に向上させる経営手法である。
【正解】ウ

問69 ISO,  IEC,  ITUなどの国際標準に適合した製品を製造及び販売する利点として,適切なものはどれか。
ア WTO政府調達協定の加盟国では,政府調達は国際標準の仕様に従って行われる。
イ 国際標準に適合しない競合製品に比べて,技術的に優位であることが保証される。
ウ 国際標準に適合するために必要な特許は,全て無償でライセンスを受けられる。
エ 輸出先国の国内標準及び国内法規の規制を受けることなく製品を輸出できる。
【正解】ア

■H28秋
問67 ベンチマーキングを説明したものはどれか。
ア 企業内に散在している知識を共有化し,全体の問題解決力を高めていく経営を行う。
イ 迅速な意思決定のために,組織の階層をできるだけ少なくしたフラット型の組織構造によって経営を行う。
ウ 優れた業績を上げている企業などとの比較分析を行い,結果を自社の経営改革に活用する。
エ 他社にはまねのできない,企業独自のノウハウや技術などの強みを核とした経営を行う。
【正解】ウ

問68 アンソフが提唱する成長マトリクスを説明したものはどれか。
ア 自社の強みと弱み,市場における機会と脅威を,分類ごとに列挙して,事業戦略における企業の環境分析を行う。
イ 製品と市場の視点から,事業拡大の方向性を市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化に分けて,戦略を検討する。
ウ 製品の市場占有率と市場成長率から,企業がそれぞれの事業に対する経営資源の最適配分を意思決定する。
エ 製品の導入期・成長期・成熟期・衰退期の各段階に応じて,製品の改良,新品種の追加,製品廃棄などを計画する。
【正解】イ

問69 RFM分析において,特にR (Recency)とF (Frequency)をそれぞれ三つに分類した。表の各セルに対する考察のうち,適切なものはどれか。
10-3_H28a_問69
ア AAに分類される顧客には,  2度目以降の再購入を促進する特典提示や購入のお礼状が重要である。
イ ACに分類される顧客には,コストを掛けてはならないので,マーケティング費用削減が重要である。
ウ CAに分類される顧客は,離反しているおそれがあるので,離反していないかの調査が重要である。
エ CCに分類される顧客に対しては,個人的なおもてなしを重視し,季節の挨拶などが重要である。
【正解】ウ

問70 技術経営における課題のうち1死の谷”を説明したものはどれか。
ア コモディテイ化が進んでいる分野で製品を開発しても,他社との差別化ができず,価値利益化ができない。
イ 製品が市場に浸透していく過程において,実用性を重んじる顧客が受け入れず,より大きな市場を形成できない。
ウ 先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難が立ちはだかっている。
エ プロジェクトのマネジメントが適切に行われないために,研究開発の現場に過大な負担を強いて,プロジェクトのメンバが過酷な状態になり,失敗に向かってしまう。
【正解】ウ

■H28春
問67 企業の競争戦略におけるチャレンジヤ戦略はどれか。
ア 上位企業の市場シェアを奪うことを目標に,製品,サービス,販売促進,流通チャネルなどのあらゆる面での差別化戦略をとる。
イ 潜在的な需要がありながら,大手企業が参入してこないような専門特化した市場に,限られた経営資源を集中する。
ウ 目標とする企業の戦略を観察し,迅速に模倣することで,開発や広告のコストを抑制し,市場での存続を図る。
エ 利潤,名声の維持・向上と最適市場シェアの確保を目標として,市場内の全ての顧客をターゲットにした全方位戦略をとる。
【正解】ア

問68 売り手側でのマーケティング要素4Pは,買い手側での要素4Cに対応するという考え方がある。 4Pの一つであるプロモーションに対応する4Cの構成要素はどれか。
ア 顧客価値(Customer Value
イ 顧客コスト(Customer Cost)
ウ コミュニケーション(Communication)
エ 利便性(Convenience)
【正解】ウ

問69 ある製品における消費者の購買行動を分析した結果,コンパーション率が低く,リテンション率が高いことが分かった。この場合に講じるべき施策はどれか。
10-4_H28h_問69
ア 広告によって製品の認知度を高めても初回購入やリピート購入に結び付けられる可能性は低いと想定されるので,この製品の販売からの撤退を検討する。
イ 初回購入に至る消費者の心理的な障壁が高いことが想定されるので,無料サンプルの配布やお試し価格による提供などのセールスプロモーションを実施する。ウ 製品の機能や性能と製品を購入した消費者の期待に差異があることが想定されるので,製品戦略を見直す。
エ 製品を購入した消費者が固定客化していることから現状のマーヶティング戦略は効果的に機能していると判断できるので,新たな施策は不要である。
【正解】イ

■H27秋
問67 多角化戦略のうち,M&Aによる垂直統合に該当するものはどれか。
ア 銀行による保険会社の買収・合併
イ 自動車メーカによる軽自動車メーカの買収・合併
ウ 製鉄メーカによる鉄鋼石採掘会社の買収・合併
エ 電機メーカによる不動産会社の買収・合併
【正解】ウ

問69 SFAを説明したものはどれか。
ア 営業活動にITを活用して営業の効率と品質を高め,売上・利益の大幅な増加や,顧客満足度の向上を目指す手法・概念である。
イ 卸売業・メーカが小売店の経営活動を支援することによって,自社との取引量の拡大につなげる手法・概念である。
ウ 企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画して管理し,経営の効率向上を図るための手法・概念である。
エ 消費者向けや企業間の商取引を,インターネットなどの電子的なネットワークを活用して行う手法・概念である。
【正解】ア

■H27春
問67 コアコンピタンスに該当するものはどれか。
ア 主な事業ドメインの高い成長率
イ 競合他社よりも効率性が高い生産システム
ウ 参入を予定している事業分野の競合状況
エ 収益性が高い事業分野での市場シェア
【正解】イ

問69 施策案a~dのうち,利益が最も高くなるマーケティングミックスはどれか。ここで
  広告費と販売促進費は固定費とし,1個当たりの変動費は1,000円とする。
10-3_H27h_問69
ア a     イ b     ウ c     エ d
【正解】ウ

■H26秋
問67 特定顧客,特定製品のセグメントに資源を集中し,専門化を図る戦略はどれか。
ア チャレンジヤ戦略     イ ニッチ戦略
ウ フォロワ戦略     エ リーグ戦略
【正解】イ

問68 新規ビジネスを立ち上げる上で実施するフィージビリティスタディはどれか。
ア 新規ビジネスに必要なシステム構築に対するIT投資を行うこと
イ 新規ビジネスの採算性や実行可能性を,投資前に分析し,評価すること
ウ 新規ビジネスの発掘のために,アイディアを社内公募すること
エ 新規ビジネスを実施するために必要な要員の教育訓練を行うこと
【正解】イ

問69 部品や資材の調達から製品の生産,流通,販売までの,企業間を含めたモノの流れ
  を適切に計画・管理し,最適化して,リードタイムの短縮,在庫コストや流通コスト
  の削減などを実現しようとする考え方はどれか。
ア CRM     イ ERP     ウ MRP     エ SCM
【正解】エ

全社戦略は、全社の戦略を考えることで、たとえば、どの分野に、どういう経営資源(お金や人材)を割り当てるかを策定します。
たとえば、富士フィルムは映画フィルムからスタートしましたが、複写機事業に参入(米国のゼロックス社と合弁で富士ゼロックスを設立)し、その後はTVCMもされている内視鏡や、化粧品事業も行っています。
http://www.fujifilmholdings.com/ja/investors/individual/history/index.html

次に事業戦略は、複合機事業、化粧品事業など、各事業分野における戦略を考えることです。

全社戦略の大事な考え方の一つとして、PPMについて、次で解説します。

企業の経営資源の配分を管理する。
市場占有率と市場成長率の2軸で分析する。

Portfolio(ポートフォリオ)とは、作品集のような意味が本来の意味のようだが、株式投資において、複数の株を組み合わせて(作品集のように)保管し、リスク分散を図る意味を指している。
製品にはPLCで分かるように、いつかは衰退期がくる。そこで、PPMで製品のポジションを確認し、中長期的な経営に役立てるのだ。問題児の事業からは撤退し金のなる木だけにビジネスを絞れば、短期的には利益が出るかもしれないが、いつかは終わりがくる。そこで問題児に投資し、花形→金のなる木に育てる必要がある。

・金のなる木
・花形:市場が成長しているので、追加投資が必要。金のなる木にする。
・負け犬:撤退を考える。
・問題児:市場は成長しているので、花形にするために積極投資するか判断する必要あり。
企業の経営資源は限られているので、その資産をどこに配分するかを考える。株などで耳にするportfolio(ポートフォリオ)と同じ考えである。

H21秋-応用情報-問69に詳しい出題あり
 
分かりやすいというか、そもそもの言葉の説明があったので引用します。
H22ビジネスキャリア検定試験(後期)のマーケティング3級(問37)によると「製品ポートフォリオ、マネージメント(PPM)とは、1970年代初めにボストンコンサルティング・グループ(BCG)が提唱したもので、複数の商品を販売している企業が、戦略的観点から事業資金をどのように配分するかを決定するための経営・管理手法である」と述べられている。

参考
応用情報技術者試験シラバスでは、以下の記載があります。
② プロダクトポートフォリオマネジメント
PPM(Product Portfolio Management:プロダクトポートフォリオマネジメント)の目的,特徴,手順を理解する。

用語例 経営資源配分の最適化,市場成長率,相対的市場シェア,問題児,花形製品,金のなる木,負け犬

過去問(H22秋AP午前問67)では、「経営戦略に用いられるSWOT分析」として、「競争環境における機会・脅威と事業の強み・弱みを分析する」と述べられています。
SWOTとは、強み (Strength)、弱み (Weakness)、機会 (Opportunity)、脅威 (Threat) の4つの頭文字です。

では、過去問(H21春AP午後問3)をもとに、SWOT分析の具体例を確認しましょう。
プロジェクトチームは,経営環境の調査結果を表にSWOT分析表として整理し,考察を行った。
swot
SWOT分析の結果と考察〕
(1)弱みの分析
販売価格面で競合他社の廉価品と対抗するために製品の品質を下げた場合,経営理念に外れることになり,J社製品への信頼を失墜させるおそれがある。
単純な低価格戦略を採るのは妥当ではない。また,顧客情報管理体制の整備による営業力の強化や,配送先確認・配送計画立案の迅速化を図る必要がある。
(2)脅威の分析
高機能性ガラスはJ社のフィルムシートと形は異なるが,同様の顧客二-ズを満
たすので. J社のフィルムシートにとって[ a ]の脅威となる。高機能性ガラスの[ b ]がJ社のフィルムシートよりも高い場合,この脅威は増大する。
(3)強みと機会の分析
高機能・高品質な製品の開発力などの強みを生かして,一般家庭向けセキュリテイ(防犯)市場の拡大などといった機会をとらえるべきである。

K氏は、 (1)~(3)の分析結果に基づき1新製品戦略及び営業・物流戦略を中期経営計画の柱とすることにした。

〔新製品戦略〕
一般家庭向けセキュリティ(防犯)分野や省エネ対策分野向けに,高機能性ガラスよりも優れた新製品の企画・開発を行う。新製品の企画・開発に注力するために,経営資源が分散しがちな状況を是正する対策を実施する。また,企画・開発部門では新製品の開発に当たって,十分に顧客の声を分析する。
(後半略)

では、過去問(H22秋AP午前問67)を見てみましょう。
問67 経営戦略に用いられるSWOT分析はどれか。
ア 競争環境における機会・脅威と事業の強み・弱みを分析する。
イ 競争に影響する要因と,他社の動き,自社の動きを分析する。
ウ 市場に対するマーケティングツールの最適な組合せを分析する。
エ 市場の成長性と占有率の観点から各事業の位置付けを分析する。

では、過去問(H24春AP午前問66)を見てみましょう。
問66 戦略を立案するために,SWOT分析を実施した。市場機会を獲得するために自社の強みを生かすことができる戦略はどれか。
swot2
ア 意思決定の遅さを克服して市場の平均成長率を超える。
イ 営業力のなさを海外ベンダと提携して市場のグローバル化に対応する。
ウ 高い技術力を応用して海外ベンダの日本市場参入に対抗する。
エ データセンタの資源を生かしてクラウドコンピューティングサービスを提供する。
SWOT分析した結果の活かし方の基本は、「強み(S)」を「機会(O)」にぶつけることです。
今回の場合は、データセンタの強みをクラウド市場に投入するエが正解です。

基本戦略
アメリカの経済学者であるマイケル・ポーターによると、競合に勝つための基本戦略は次の3つです。
①コストリーダーシップ戦略
差別化戦略
③集中戦略
集中戦略は、市場を絞った上でコストリーダーシップ戦略か差別化戦略をとります。
応用情報技術者試験を勉強する成子 

ということは、競合に勝つには、基本的にコスト優位か他社と差別化をすることですね。
競争地位戦略
「業界内の企業の地位は,リーダ,チャレンジャ,フォロワ,ニッチャの四つに分類できる(H22秋IP問7)」。また、その分類に応じた競争地位戦略をコトラーが提唱しています。

①リーダ
・「利潤,名声の維持・向上と最適市場シェアの確保を目標として,市場内の全ての顧客をターゲットにした全方位戦略をとる(H28春午前高度問26)」
⇒ブランド力があり、品質も高い。フルライン戦略、市場の同質化を図る。

②チャレンジャ
・「上位企業の市場シェアを奪うことを目標に,製品,サービス,販売促進,流通チャネルなどのあらゆる面での差別化戦略をとる(H28春午前高度問26)」
⇒チャレンジャーは、何にチャレンジしているかというと、リーダにチャレンジを仕掛ける。業界2位以降の企業にあたる。その手段は差別化戦略が基本になる。電話業界でいうと、NTTがリーダーで、チャレンジャーはKDDIになるのではないか。KDDIはNTTほどのブランドがないが、価格面などでの差別化を図りつつ、全市場を攻略している。

③ニッチャ
・「潜在的な需要がありながら,大手企業が参入してこないような専門特化した市場に,限られた経営資源を集中する。(H28春午前高度問26)」
・「業界でのシェアは高くないが,特定の製品・サービスに経営資源を集中することによって,収益を高め,独自の地位を獲得することを戦略目標とする企業はどれか(H27秋FE午前問67))」
⇒ニッチという言葉のとおりニッチな市場を狙い、その市場でのリーダとなる。

④フォロワ
・「目標とする企業の戦略を観察し,迅速に模倣することで,開発や広告のコストを抑制し,市場での存続を図る。(H28春午前高度問26)」
⇒リーダーやチャレンジャーの模倣。業界の上位以外の多くの企業がここに属することでしょう。


スティーブ・ジョブズ 世界を変えた言葉(イースト・プレス)」には、「リーダーとフォロワーを分けるのは、イノベーションである」と述べられている。

過去問(H28春AP午前)を見てみましょう。
問67 企業の競争戦略におけるチャレンジヤ戦略はどれか。
ア 上位企業の市場シェアを奪うことを目標に,製品,サービス,販売促進,流通チャネルなどのあらゆる面での差別化戦略をとる。
イ 潜在的な需要がありながら,大手企業が参入してこないような専門特化した市場に,限られた経営資源を集中する。
ウ 目標とする企業の戦略を観察し,迅速に模倣することで,開発や広告のコストを抑制し,市場での存続を図る。
エ 利潤,名声の維持・向上と最適市場シェアの確保を目標として,市場内の全ての顧客をターゲットにした全方位戦略をとる。


参考
H28秋AP午前問9
問9 ブルーオーシャン戦略の特徴はどれか。
ア 価値を高めながらコストを押し下げる。
イ 既存の市場で競争する。
ウ 既存の需要を喚起する。
エ 競合他社を打ち負かす。

marketは「市場」という意味で、マーケティングとは、単に物を売るという行為ではなく、市場のニーズをとらえた商品開発やプロモーション活動などを指します。
マーケティングに関して、いくつかの重要キーワードを紹介します。

マーケティングミックス
マーケティングミックスといえば、4Pであるが、「売り手側でのマーケティング要素4Pは、買い手側での要素4Cに対応するという考え方がある」(H28春AP午前問68)と述べられています。
整理すると、以下になります。
売り手(4P) ECサイトに関連するマーケティング施策の例(H21秋IP問22より) 買い手(4C)
製品(Product) ECサイトでの販売に際し, ECサイト専用の商品を開発した。 ⇒⇒ 顧客価値(Customer Value
価格(Price) 販売代理店への手数料が不要になったので, ECサイトで直販する商品の価格を下げた。 ⇒⇒ 顧客コスト(Customer Cost)
チャネル(Place) ※流通のこと 従来,代理店を通じて販売していた商品のECサイトでの直販を開始した。 ⇒⇒ 利便性(Convenience)
プロモーション(Promotion) ECサイトへの来訪者数を増加させるために,検索連動型広告を活用した。 ⇒⇒ コミュニケーション(Communication)

マーケティング手法(ターゲットマーケティングとワントゥワンマーケティング
いくつかの種類があるが、少しずつ整理したい。今はバラバラ。
(1)マスマーケティング
「効率よく大量に生産することで、製品1個当たりのコストを低減させ、安価な製品を提供することによって、あらゆる顧客を対象にする」(H22ST午前2-13)
(2)ワントウワンマーケティング
「市場シェアの拡大よりも顧客との好ましい関係を重視し、長期にわたって自社製品を購入する顧客の割合を高める」(H22ST午前2-13)
 市場シェアではなく、顧客シェアを目指している。
(3)ターゲットマーケティング?←怪しい
「市場を複数のセグメントに細分化し、その中の幾つかのセグメントに対し、ニーズに合った製品、又はマーケティングミックスを展開する」(H22ST午前2-13)
※マスカスタマイゼーションとの関連も整理したい。

H24春AP午前
問69 ワントゥワンマーケティングを説明したものはどれか。
ア 効率よく大量に生産することで,製品1個当たりのコストを低減させ,安価な製品を提供することによって,あらゆる顧客を対象にする。
イ 市場シェアの拡大よりも,顧客との好ましい関係を重視し,長期にわたって自社製品を購入する顧客の割合を高める。
ウ 市場を複数のセグメントに細分化し,その中の幾つかのセグメントに対し,ニーズに合った製品又はマーケティングミックスを展開する。
エ 製品の安全性,適切な情報の提供などに加えて,自然環境の保全,地域との融和などを目的とした企業の社会的責任を重視する。


その他過去問
マーケティングに関しては、幅広い問題が結構出題されています。その一例ですが、他にもいくつかあります。

(H28春AP午前)
問69 ある製品における消費者の購買行動を分析した結果,コンパーション率が低く,リテンション率が高いことが分かった。この場合に講じるべき施策はどれか。
マーケティング指標 定義
コンパーション率 製品を認知した消費者のうち,初回購入に至る消費者の割合
リテンション率 製品を購入した消費者のうち,固定客となる消費者の割合
ア 広告によって製品の認知度を高めても初回購入やリピート購入に結び付けられる可能性は低いと想定されるので,この製品の販売からの撤退を検討する。
イ 初回購入に至る消費者の心理的な障壁が高いことが想定されるので,無料サンプルの配布やお試し価格による提供などのセールスプロモーションを実施する。ウ 製品の機能や性能と製品を購入した消費者の期待に差異があることが想定されるので,製品戦略を見直す。
エ 製品を購入した消費者が固定客化していることから現状のマーヶティング戦略は効果的に機能していると判断できるので,新たな施策は不要である。

マーケティングに関して、応用情報技術者試験シラバスでは以下の記載があります。
(1)マーケティング理論
マーケティング分析
市場規模,顧客ニーズ,自社の経営資源,業績,競合関係などの分析を行うこと,その考え方,及び市場調査で用いられる代表的な調査,分析手法を理解する。

用語例 3C(Customer,Competitor,Company)分析,マクロ環境分析(PEST 分析,文化的環境),市場調査(マーケティングリサーチ),セグメンテーション,ターゲティング,ポジショニング,サンプリング,質問法,観察法,実験法,クロス集計,価格感度測定法,RFM 分析(Recency,Frequency,Monetary Analysis),消費者行動モデル(AIDMA

マーケティングミックス
マーケティングミックスは,商品計画,販売価格,販売経路,販売促進を効果的に組み合わせて実施することであることを理解する。

用語例 マーチャンダイジングマーケティングの4P(Product,Price,Place,Promotion ), マーケティングの4C ( Customer Value , Customer Cost ,Convenience,Communication)

③ CS(Customer Satisfaction:顧客満足
経済が成熟し,消費が高度化するに伴い,顧客に精神的,主観的な満足を感じさせることが企業の重要課題になっていることを理解する。

用語例 顧客価値,LTV(Life Time Value),顧客ロイヤリティ,ブランド戦略,UX(User Experience),コンバージョン率,リテンション率

(2)マーケティング戦略
① 製品戦略
PLC(Product Life Cycle:製品ライフサイクル)の各段階の特徴と実施すべきマーケティング戦略,製品ミックスの考え方,代表的な製品戦略を理解する。

用語例 導入期,成長期,成熟期,衰退期,製品ライン,製品ポートフォリオ,ブランド戦略,製品多様化戦略,製品差別化戦略,市場細分化戦略,計画的陳腐化コモディティ化,PLM(Product Life cycle anagement),マスカスタマイゼーション

価格戦略
商品の価格設定の手法,考え方,その効果を理解する。

用語例 価格設定方法(コストプラス法ほか),バリュープライシング,需要の価格弾力性

③ 流通戦略
流通経路の分類方法,選定する考え方,最適化する手法を理解する。
用語例 ボランタリーチェーンフランチャイズチェーン,チャネル統合,オムニチャネル

④ プロモーション戦略
商品を消費者に認知してもらうコミュニケーション手段,その活用方法を理解する。

用語例 広告,販売促進,パブリシティ,消費者行動モデル(AIDMA

(3)マーケティング手法
代表的なマーケティング手法の特徴,適した活用場面を理解する。

用語例 マスマーケティング,ターゲットマーケティング,ワントゥワンマーケティング,リレーションシップマーケティングダイレクトマーケティングバイラルマーケティング,市場テスト(テストマーケティング),コーズリレーテッドマーケティング,プッシュ戦略/プル戦略

過去問(H26春AP午前問70)では「バランススコアカード」の説明として、「財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の視点から,経営戦略の立案と実行を支援する手法」と述べられています。
応用情報技術者試験を勉強する成子

なぜこの4つなのですか?
私も最初はそう思いました。でも、実際の企業では、この4つはとても大事なのです。財務として、資金調達や黒字達成は大事ですよね。顧客を分析することも当然ですし、内部ビジネスプロセスとして、仕事のやり方を見直すことも求められます。そして、社員の育成(学習)と、会社をどう成長させていくかも大事なのです。

過去問(H22春AP午後問3)では、バランススコアカードに基づいた戦略やKGI、CSF、KPIについて具体例が示されているので紹介します。
M氏は戦略及び戦略実現の手段を全社レベルで明確にするためにバランススコアカードを導入することにし,経営戦略案を基に表のようなバランススコアカード案を作成した。
bsc


4つの視点で戦略実現の具体策を検討されていることが分かります。

過去問(H29年春AP午前問63)を見てみましょう。
問63 IT投資に対する評価指標の設定に際し,バランススコアカードの手法を用いてKPIを設定する場合に,内部ビジネスプロセスの視点に立ったKPIの例はどれか。

ア 売上高営業利益率を前年比5%アップとする。
イ 顧客クレーム件数を1か月当たり20件以内とする。
ウ 新システムの利用者研修会の受講率を100%とする。
エ 注文受付から製品出荷までの日数を3日短縮とする。
正解は、エです。

新製品を出す場合の価格政策には、
(1)上澄み吸収価格戦略
(2)浸透価格(ペネトレーティングプライス)政策
がある。
(1)は高価格、(2)は低価格である。

(1)を採用する理由はいくつかあるが、高価格でも売れるので利益を取ろうと考える場合や、高価格としてブランドイメージを作るからこそ売れると考えるからであろう。つまり、安くすると売れない。
パソコンや家電の新機種は基本的に前者で、マニアは他人よりいち早くほしいので高くても買う。パソコンは半年もすると価格が数万円も安くなるから驚きだ。この政策のポイントとなるのは、価格弾力性である。価格弾力性が低い(つまり、安くしても需要はそれほど増えない)場合に有効である。

(2)のペネトレートとは「浸透する」という意味である。価格弾力性が高い(つまり、安くすると大量に売れる)場合や、規模の経済性が大きく働く(つまり、安くても大量に売った方が儲かる)場合に採用する。基本的には最寄品(日常品)が該当するだろう。ユニクロのフリース1900円がそれにあたるかと思う。

過去問
過去問(H29年AP春午前問68)を見てみましょう。
問68 事業戦略のうち,浸透価格戦略に該当するものはどれか。

ア 売上高をできるだけ維持しながら,製品や事業に掛けるコストを徐々に引き下げていくことによって,短期的なキャッシュフローの増大を図る。
イ 事業を分社化し,その会社を売却することによって,投下資金の回収を図る。
ウ 新規事業に進出することによって,企業を成長させ,利益の増大を図る。
エ 低価格戦略と積極的なプロモーションによって,新製品のマーケットシェアの増大を図る。
正解は、エです。

新製品を市場に投入する場合の値決め政策である。通常はやや高めになるが、高めといっても幅がある。どうするべきか。
ITストラテジストの論文対策 
マニアな人は高くても買うからスキミングプライス(上澄み吸収価格)がよいと思う。つまり、かなりの高値ではどういう場合にペネトレイティングプライス、つまり低価格にする?
もう少し調べる必要があるが、価格弾力性が高いと見込まれる製品はこれにあたるだろう

問66 多角化戦略のうち,M&Aによる垂直統合に該当するものはどれか。

ア 銀行による保険会社の買収・合併
イ 自動車メーカによる軽自動車メーカの買収・合併
ウ 製鉄メーカによる鉄鋼石採掘会社の買収・合併
エ 電機メーカによる不動産会社の買収・合併
正解は、ウです。

H21ST午前16を参考にすると、企業の競争力に影響を与える5つの要因として以下がある。
・新規参入者の脅威
・バイヤの交渉力
・サプライヤの交渉力
・競争業者間の敵対関係
・代替製品の脅威


過去問(H22春FE午後問7)を見てみましょう。
(前略)
K氏は,ファイブフォース分析を使って,業界における,売り手の交渉力,買い手の交渉力,新規参入者の脅威,代替製品の脅威及び競争業者間の敵対関係の強さを分析して,業界の収益性や成長性を評価することにした。
例えば,新規参入者の脅威は,国の規制に守られている場合や,多大な設備投資が必要な業界の場合に低くなる。また,売り手の交渉力は,売り手の提供する製品やサービスが特殊ではなく,買い手が売り手を多数の候補の中から選べる場合に弱くなる。代替製品の脅威は,提供している製品やサービスに代わるものが,ほかにあまりない場合に低くなる。売り手や買い手の交渉力が弱いほど,また新規参入者や代替製品の脅威が低く競争業者間の敵対関係が弱いほど,業界の収益性は高くなりやすいと考えられている。
K氏は,A社の事業地域における健康飲料業界の分析を行って上司に報告した。図は,  K氏と上司が完成させた分析結果である。
ii


空欄の選択肢は以下です。
解答群
ア 栄養補助食品などの競合製品が多く
イ 脅威となる競合製品はほとんどなく
ウ 供給業者の少ない固有の包装資材が多く工 供給業者の少ない固有の包装資材がなく
オ 消費者の健康意識レベルが高く
カ 消費者の健康意識レベルが低く
キ 特殊な設備が必要であり
ク 特殊な設備が不要であり

「経営戦略」の「経営戦略マネジメント」に関して、応用情報技術者試験シラバスでは、以下の4つの項目があります。
1.経営戦略手法
2.マーケティング
3.ビジネス戦略と目標・評価
4.経営管理システム

この中で、「1.経営戦略手法」に関しては、以下の記載があります。キーワードはたくさんありますが、ITストラテジスト試験ではないので、すべて覚える必要はありません。
(1)経営戦略
経営戦略の目的,考え方,経営戦略の階層を理解する。
用語例 企業理念,企業戦略,ビジネス戦略,競争戦略,機能別戦略,多角化シナジー効果,規模の経済,範囲の経済,イノベーションチェンジマネジメント,ベンチマーキング,ベストプラクティス

(2)全社戦略
① 全社戦略の策定
全社戦略の目的,考え方,代表的な戦略を理解する。
用語例 ドメイン,資源配分,競争優位,経験曲線,CS(Customer Satisfaction:顧客満足),グループ経営,コアコンピタンスアウトソーシングM&A(Mergers and Acquisitions),TOB(Take Over Bid:公開買付け),アライアンス,シェアドサービス,ベンチャービジネスクラウドファンディング,インキュベータ

② プロダクトポートフォリオマネジメント
PPM(Product Portfolio Management:プロダクトポートフォリオマネジメント)の目的,特徴,手順を理解する。
用語例 経営資源配分の最適化,市場成長率,相対的市場シェア,問題児,花形製品,金のなる木,負け犬

(3)事業戦略
① 競争戦略の策定
競争戦略の目的,考え方,代表的な戦略を理解する。

用語例 ファイブフォース分析(既存競合者同士の敵対関係,新規参入の脅威,代替製品・代替サービスの脅威,買い手の交渉力,供給者の支配力),競争の基本戦略(コストリーダシップ戦略,差別化戦略,集中戦略),ブルーオーシャン戦略

SWOT 分析
SWOT(Strength,Weakness,Opportunity,Threat:強み,弱み,機会,脅威)分析の目的,特徴,手順を理解する。

用語例 外部環境,内部環境

バリューチェーン分析
バリューチェーン分析の目的,特徴,手順を理解する。
用語例 価値活動,調達,製造,販売,サービス,付加価値,コスト,外部資源活用,バリューチェーン再設計

④ 成長マトリクス
成長マトリクスの目的,特徴,手順を理解する。
用語例 製品・市場マトリクス,成長戦略,市場浸透戦略,市場開拓戦略,製品開発戦略,多角化戦略

ビジネス戦略と目標・評価に関して、応用情報技術者試験シラバスでは以下の記載があります。
3. ビジネス戦略と目標・評価
(1)ビジネス戦略と目標の設定・評価
ビジネス戦略と目標,評価に関する目的,考え方,手順を理解する。
[手順の例]
(ⅰ)企業理念,企業ビジョン,全社戦略を踏まえ,ビジネス環境分析,ビジネス戦略立案を行い,具体的な戦略目標を定める,(ⅱ)目標達成のために重点的に取り組むべきCSF(Critical Success Factors:重要成功要因)を明確にする,(ⅲ)目標達成の度合いを計るための指標を設定し評価する。

用語例 組織のビジョン,組織のミッション,KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標),KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標),モニタリング,フィージビリティスタディ

(2)目標設定及び評価のための代表的な情報分析手法
バランススコアカード
BSC(Balanced Scorecard:バランススコアカード)の目的,特徴,手順を理解する。
用語例 財務の視点,顧客の視点,業務プロセスの視点,学習と成長の視点, CSF(Critical Success Factor:重要成功要因),評価指標,モニタリング,差異分析

② ニーズ・ウォンツ分析
ニーズ・ウォンツ分析の目的,特徴,手順を理解する。

用語例 必要性(ニーズ),欲求(ウォンツ)

③ 競合分析
競合分析の目的,特徴,手順を理解する。

用語例 競争状況,競合相手の数,製品やサービスの価格,技術動向

④ その他の手法
バリューエンジニアリング,シックスシグマなどの手法の目的,特徴,手順を理解する。

用語例 製品・サービスの価値,機能,コスト,ライフサイクルコスト,機能定義,機能評価,機能別コスト分析,代替案作成,TQM(Total Quality Management:総合的品質管理),マクロ環境分析(PEST 分析,文化的環境)

経営管理システムに関して、応用情報技術者試験シラバスでは以下の記載があります。
(1)経営管理システム
経営管理システムには,全社を対象としたシステム,特定の部門を対象としたシステムなどがあることを理解する。また,経営戦略実現のための経営管理システムに,経営者の意思決定を支援するシステムや事業活動の統合管理などを行うシステムがあること,特徴,考え方を理解する。

用語例 全社システム,部門システム,DSS(Decision Support System:意思決定支援システム),SIS(Strategic Information System:戦略的情報システム),ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画),バリューチェーンマネジメント, ECR ( Efficient Consumer Response : 効率的消費者対応), SFA, KMS(Knowledge Management System:知識管理システム),SECI(Socialization,Externalization,Combination,Internalization:共同化,表出化,連結化,内面化)モデル,CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理),SCM , TOC ( Theory of Constraints :制約条件理論), 企業内情報ポータル(EIP)

PLCとは
製品ライフサイクル(PLC)には、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つがあります。
それぞれの特徴を、過去問(H26秋FE午前問70)をもとに整理すると、以下になります。
①導入期
先進的な消費者に対して製品を販売する時期である。製品の認知度を高める戦略が採られる。
②成長期
売上が急激に増加する時期である。市場が活性化し,新規参入企業によって競争が激化してくる。
③衰退期
売上と利益が徐々に減少する時期である。追加投資を控えて市場から撤退することが検討される。
④成熟期
需要の伸びが鈍化してくる時期である。製品の品質改良などによって,シェアの維持,利益の確保が行われる。

2.PLCの各期における価格政策
H22ビジネスキャリア検定試験(後期)のマーケティング3級(問20)によると以下である。あくまでの価格政策の一例なので、あしからず。
(1)導入期:イノベーターなどを対象に、高価格政策をとる。
(2)成長期:市場シェアの獲得を目的とした割引政策をとる。
(3)成熟期:市場ニーズに対応して製品ライン拡張に伴うプライスライン政策をとる。
(4)衰退期:弱小ブランドを削除し、ブランド変更に伴う新価格設定を行う。

参考
「なぜあの会社は儲かるのか?」(日本経済新聞社)には、「ただしPLCの理論にも限界がある。それは、現時点での製品のPLC上の位置がどこにあるのか、正確に指摘するのは不可能である」「たとえば成熟商品と思われていた『カルピス』が『カルピスウォーター』という缶入り飲料の発売と共に再び成長した」という例が述べられている。

「デルの革命」(日経ビジネス文庫)には「非常に大きな市場に出会った場合、それに対処する道はただ一つ、『分割して攻略する』ことである。これが私たちの『セグメンテーション』を支える基盤だ。これによって、会社として成長しつつ、個々の顧客に対するより効果的なサービスが可能となった」と述べられている。

市場細分化の基準は、
(1)(地域などの)地理的変数
(2)(年齢、性別などの)人口統計的変数
(3)(健康志向、エコなどの)心理的変数
(4)(毎朝缶コーヒーを買うなどの)行動的変数、である。

(4)は朝専用コーヒーにつながっているかと思う。
市場細分化した後、ターゲッティングする。

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