カテゴリ:1.コンピュータ > 1.6 システムの構成

NASの解説は以下
http://nw.seeeko.com/archives/50570385.html

■H24秋AP午前
問13 NAS (Network Attached Storage)の特徴と,特徴を生かした適用業務について述べたものはどれか。
ア 各種OSからファイルを共有することができるので,データを交換する業務に適している。
イ データの読み書きを高速に行うことができるようになるので,負荷が高い業務に適している。
ウ データベースのデータを扱うことが容易なので,簡易言語で隋報検索を行う業務に適している。
エ ファイルの改ざんを監視することが容易なので,個人情報を管理する業務に適している。

■H26秋
問12 NASを利用することによって,達成できることはどれか。
ア サーバごとに専用の磁気ディスクを搭載して個別管理するよりも,ファイルサーバのようにシステム全体で磁気ディスク群を効率的に利用することができる。
イ 磁気ディスクに障害が発生しても,自動的に予備の磁気ディスクを起動して,パリティ情報からデータを復元し,処理を継続することができる。
ウ 磁気ディスクのファイル領域の断片化を解消し,ヘッドの移動量の増大から起こる読み書き速度の低下や故障の誘発を防止することができる。
エ データベースにアクセスするのに,SQLを使わず,表計算ソフトを操作する感覚でアクセスすることができる。
【正解】ア

■H28春問15、■H25秋問14
 分散処理システムに関する記述のうち,アクセス透過性を説明したものはどれか。
ア 遠隔地にある資源を,遠隔地での処理方式を知らなくても,手元にある資源と同じ操作で利用できる。
イ システムの運用と管理をそれぞれの組織で個別に行うことによって,その組織の実態に合ったサービスを提供することができる。
ウ 集中して処理せずに,データの発生場所やサービスの要求場所で処理することによって,通イ言コストを削減できる。
エ 対等な関係のコンピュータが複数あるので,一部が故障しても他のコンピュータによる処理が可能となり,システム全体の信頼性を向上させることができる。
【正解】ア

■H28春DB午前2
問18 分散データベースシステムの目標の一つである“移動に対する透過性”の説明として,適切なものはどれか。
ア 運用の都合や性能向上の目的で表の格納サイトが変更されても,利用者にこの変更を意識させないで利用可能にする機能のことである。
イ データベースが通信網を介して物理的に分散配置されていても,利用者にこの分散状況を意識させないで利用可能にする機能のことである。
ウ 一つの表が複数のサイトに重複して格納されていても,利用者にこれを意識させないで利用可能にする機能のことである。
エ 一つの表が複数のサイトに分割して格納されていても,利用者にこれを意識させないで利用可能にする機能のことである。
【正解】ア

■H28秋SA午前Ⅱ
問19 分散処理システムにおける障害透明性(透過性)の説明として,適切なものはどれか。
ア 管理者が,システム全体の状況を常に把握でき,システムを構成する個々のコンピュータで起きた障害をリアルタイムに知ることができること
イ 個々のコンピュータでの障害がシステム全体に影響を及ぼすことを防ぐために,データを1か所に集中して管理すること
ウ どのコンピュータで障害が起きてもすぐ対処できるように,均一なシステムとなっていること
エ 利用者が,個々のコンピュータに障害が起きていることを認識することなく,システムを利用できること
【正解】エ

■H25秋SC午前Ⅱ
問21 分散データベースシステムにおける“分割に対する透過性”を説明したものはどれか。
ア データの格納サイトが変更されても,利用者のアプリケーションや操作法に影響
 がないこと
イ 同一のデータが複数のサイトに格納されていても,利用者はそれを意識せずに利
 用できること
ウ 一つの表が複数のサイトに分割されて格納されていても,利用者はそれを意識せ
 ずに利用できること
エ 利用者がデータベースの位置を意識せずに利用できること
【正解】ウ

■H23春DB午前2
問20 分散データベースにおける“複製に対する透過性"の説明として,適切なものはどれか。
ア それぞれのサーバのDBMSが異種であっても,プログラムはDBMSの相違を意識する必要がない。
イ 一つの表が複数のサーバに分割されて配置されていても,プログラムは分割された配置を意識する必要がない。
ウ 表が別のサーバに移動されても,プログラムは表が配置されたサーバを意識する必要がない。
エ 複数のサーバに一つの表が重複して存在しても,プログラムは表の重複を意識する必要がない。
【正解】エ

■H16春SW午前
問33 分散処理システムを構築する際のネットワーク透過性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア OSやアプリケーションの構成に影響を与えることなくシステムの規模を変更できることを,規模透過性という。
イ システムの信頼性や性能の向上のためにファイルの複製物をもつことを,性能透過性という。
ウ ネットワークに接続されている異なる種類の資源に対して,同一方法でアクセスできることを,並行透過性という。
エ ネットワークに接続されている資源に対して,その存在位置を意識することなくアクセスできることを,アクセス透過性という。
【正解】ア

RAIDに関しては以下に記載
http://nw.seeeko.com/archives/50536846.html

■H26春
問11 RAIDの種類a,b,cに対応する組合せとして,適切なものはどれか

H26h-問11
【正解】ア

■H27春
問11 RAID1~5の各構成は,何に基づいて区別されるか。
ア 構成する磁気ディスク装置のアクセス性能
イ コンピュータ本体とのインタフェースの違い
ウ データ及び冗長ビットの記録方法と記録位置との組合せ
エ 保証する信頼性のMTBF
【正解】ウ

■H25秋
問13 80 Gバイトの磁気ディスク8台を使用して,RAID0の機能とRAID1の機能の両方の機能を同時に満たす構成にした場合,実効データ容量は何Gバイトか。
ア 320     イ 480     ウ 560     エ 640
【正解】ア

■H24春AP午前
問14 RAIDの分類において,ミラーリングを用いることで信頼性を高め,障害発生時には冗長ディスクを用いてデータ復元を行う方式はどれか。
ア RAID1  イ RAID2  ウ RAID3 エ RAID4

正解:ア

■H29秋FE午前
問12 RAID5の記録方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 複数の磁気ディスクに分散してバイト単位でデータを書き込み,さらに, 1台の磁気ディスクにパリティを書き込む。
イ 複数の磁気ディスクに分散してビット単位でデータを書き込み,さらに,複数の磁気ディスクにエラー訂正符号(ECC)を書き込む。
ウ 複数の磁気ディスクに分散してブロック単位でデータを書き込み,さらに,複数の磁気ディスクに分散してパリティを書き込む。
エ ミラーディスクを構成するために,磁気ディスク2台に同じ内容を書き込む。

【正解】 ウ
エはRAID1(ミラーリング

■H29春
問12 WebシステムにおけるCDN (Contents Delivery Network)に関する記述として,適切なものはどれか。
ア Webサーバ,アプリケーションサーバ,データベースサーバの三つの構成要素に分けることによってコンテンツの検索を容易にすると同時に,システムの拡張性も高める。
イ コミュニティ型のWebサイト及びネットワークサービスによって,人と人とのつながりを促進するコンテンツを共有する。
ウ 動画再生や音楽再生に必要なプログラム部品をインターネット経由で入手し,Webブラウザに組み込む。
エ 動画や音声などの大容量のデータを利用する際に,インターネット回線の負荷を軽減するようにサーバを分散配置する。
【正解】エ

■H28春
問13 現状のHPC(High Performance Computing)マシンの構成を,次の条件で更新することにした。更新後の,ノード数と総理論ピーク演算性能はどれか。ここで,総理論ピーク演算性能は,コア数に比例するものとする。

〔現状の構成〕
(1)一つのコアの理論ピーク演算性能は10GFLOPSである。
(2)一つのノートのコア数は8である。
(3)ノード数は1,000である。

〔更新条件〕
(1)一つのコアの理論ピーク演算性能を現状の2倍にする。
(2)一つのノートのコア数を現状の2倍にする。
(3)総コア数を現状の4倍にする。
H28h-問13
ア 2,000 320
イ 2,000 640
ウ 4,000 320
工 4,000 640
【正解】イ

■H27秋
問12 クラスタリングシステムで,ノード障害が発生したときに信頼性を向上させる機能のうち,適切なものはどれか。
ア アプリケーションを代替ノードに転送して実行するためのホットプラグ機能が働く。
イ アプリケーションを再び動かすために,代替ノードを再起動する機能が働く。
ウ 障害ノードを排除して代替ノードでアプリケーションを実行させるフェールオーバ機能が働く。
エ ノード間の通信が途切れるので,クラスタの再構成を行うフェ―ルバック機能が働く。
【正解】ウ

■H27春
問8 グリッドコンピューテイングの説明はどれか。
ア OSを実行するプロセッサ,アプリケーションを実行するプロセッサというように,それぞれの役割が決定されている複数のプロセッサによって処理を分散する方式である。
イ PCから大型コンピュータまで,ネットワーク上にある複数のプロセッサに処理を分散して,大規模な一つの処理を行う方式である。
ウ カーネルプロセスとユーザプロセスを区別せずに,同等な複数のプロセッサに処理を分散する方式である。
エ プロセッサ上でスレッド(プログラムの実行単位)レベルの並列化を実現し,プロセッサの利用効率を高める方式である。

【正解】イ

問12 物理サーバのスケールアウトに関する記述はどれか。
ア サーバに接続されたストレージのディスクを増設して冗長化することによって,サーバ当たりの信頼性を向上させること
イ サーバのCPUを高性能なものに交換することによって,サーバ当たりの処理能力を向上させること
ウ サーバの台数を増やして負荷分散することによって,サーバ群としての処理能力を向上させること
エ サーバのメモリを増設することによって,単位時間当たりの処理能力を向上させること

【正解】ウ

3層クライアントサーバシステムを理解しましょう。
まずは過去問(H22春FE午前問14)を見てみましょう。
問14 3層クライアントサーバシステムで,クライアント以外の2層をそれぞれ1台のサーバを使用して実装した場合のシステム構成として,適切なものはどれか。ここで,APはアプリケーションを,DBはデータベースを表す。
3sou
正解は、アです。
では、この図をもとに説明をします。
3層クライアントサーバシステムを構成する各層の名称ですが、文献によっても言葉が違うようです。

ここでは、過去問(H17年秋SD午前)で問われた言葉を使って定義します。
1)プレゼンテーション層 →上記のクライアント。Webブラウザと考えましょう。
2)ファンクション層 →上記のAPサーバ
3)データベースアクセス層 →上記のDBサーバ

このように、今や一般的となっているWebアプリケーションの仕組みが、3層クライアントサーバシステムです。

情報セキュリティマネジメント試験を目指す剣持成子_8 

かつてはC/S(クライアント/サーバ)システムでしたから、2層のシステムということでしょうか。
はい。その通りです。

利点
役割を層ごとに分離することで、それぞれの層でOSが同一である必要もなく、また、システム改修や拡張も柔軟に行えます。

過去問
両者の違い、特徴については、過去問で確認しましょう。
(H18年秋AD)
問11 2層構造と3層構造のクライアントサーバシステムを比較したとき,3層構造の特徴として,適切なものはどれか。
ア アプリケーションの開発とその保守作業の作業効率は悪くなる。
イ クライアントとサーバ間の通信量が増加しやすい。
ウ データの処理ロジックを変更しても,クライアントモジュールへの影響を少なくできる。
エ 利用するデータベースを三つの機能層に分割するので,性能が向上する。
【解説】
アですが、APサーバとDBサーバを機能で分けているので、保守はやりやすくなります
イですが、通信量に変化はないことでしょう
ウは正解です
エは、データベースは3つに分けません。

【正解】


応用情報関連の過去問は、以下です。
H26秋AP午前
問11 3層クライアントサーバシステムの説明のうち,適切なものはどれか。
ア システムを機能的に, Webサーバ,ファイアウォール,クライアントの3階層に分けたシステムである。
イ システムを機能的に,アプリケーション,通信,データベースの3階層に分けたシステムである。
ウ システムを物理的に,メインフレーム,サーバ,クライアントの3階層に分けたシステムである。
エ システムを論理的に,プレゼンテーション,ファンクション,データベースの3階層に分けたシステムである。
【正解】エ

H28春AP午前
問12 クライアントサーバシステムの3層アーキテクチヤを説明したものはどれか。
ア アプリケーションに必要なGUIAPIをプレゼンテーション層とファンクション層に分離したアーキテクチヤであり,データベースサーバを独立させている。イ プレゼンテーション層,ファンクション層,データ層に分離したアーキテクチヤであり,各層のOSは異なってもよい。
ウ プレゼンテーション層とデータ層をミドルウェア層によって連係したアーキテクチャであリ,各層をネットワークで接続されたコンピュ―タに分散する。
エ プレゼンテーション層とファンクション層を結合し,データ層を分離したアーキテクチヤであり,データベースサーバを効率的に運用できる。
【正解】イ

H26年春AP午前
問14 あるクライアントサーバシステムにおいて,クライアントから要求された1件の検索を処理するために,サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき,ネットワーク内で転送されるデータは平均2×105バイトである。このサーバの性能は100 MIPS であり,ネッ卞ワークの転送速度は8×107ビットノ秒である。このシステムにおいて,1秒間に処理できる検索要求は何件か。ここで,処理できる件数は,サーバとネットワークの処理能力だけで決まるものとする。また,1バイトは8ビットとする。
ア 50   イ 100   ウ 200   エ 400
【正解】ア

H26春AP午前
問12 3層クライアントサーバシステムのファンクション層で処理される二つの機能の組合せはどれか。
ア 検索条件の入力,データ処理条件の組立て
イ 検索条件の入力,データへのアクセス
ウ データ処理条件の組立て,データの加工
エ データへのアクセス,データの加工
【正解】ウ

■H25春
問13 3層クライアントサーバシステムの各層の役割のうち,適切なものはどれか。
ア データベースアクセス層は,データを加工してプレゼンテーション層に返信する。
イ ファンクション層は,データベースアクセス層で組み立てられたSQL文を解釈する。
ウ ファンクション層は,データを加工してプレゼンテーション層に返信する。
エ プレゼンテーション層は,データベースアクセス層にSQL文で問い合わせる。
【正解】ウ

応用情報技術者試験シラバスでは、システムの構成に関して、以下の記載があります。

1. システムの構成
(1)システムの処理形態・利用形態・適用領域
① 集中処理システム
集中処理システムの仕組み,特徴を理解する。

用語例 コスト性能比,保守要員の集中化

② 分散処理システム
分散処理システムの仕組み,特徴を理解する。
用語例 分散アーキテクチャ,管理責任,機能配分,水平機能分散システム,水平負荷分散システム,垂直機能分散システム,対話型処理,情報資源の組織への対応性,管理責任,TCO

③ 利用形態
バッチ処理,リアルタイム処理などシステムの利用形態の種類と特徴,どのような業務にどの形態が適しているかを理解する。

(2)システム構成
代表的なシステム構成の種類,特徴を理解する。また,システム構成要素間の機能配分,
冗長構成によるシステムの信頼性向上,負荷分散によるレスポンス速度の向上などを理解する。

用語例 デュアルシステム,デュプレックスシステム,クラスタクラスタリング,タンデム結合,マルチプロセッサシステム,ロードシェアリングシステム,バックアップサイト,ホットサイト,ウォームサイト,コールドサイト,主系(現用系),従系(待機系),シェアードエブリシング,シェアードナッシング,密結合,疎結合シンクライアント,ピアツーピア,グリッドコンピューティング,仮想化,VM(Virtual Machine:仮想マシン),クラウドコンピューティングSaaS,PaaS,IaaS,マイグレーション

(3)ハイパフォーマンスコンピューティング
高精度な高速演算を必要とするような分野で利用されるHPC ( High Performance Computing:ハイパフォーマンスコンピューティング)の特徴や,HPC を可能にするためのスーパコンピュータや複数のコンピュータをLAN などで結んで,CPU などの資源を共有して単一の高性能なコンピュータとして利用できるようにした構成を理解する。

用語例 大規模並列,アレイプロセッサ

(4)クライアントサーバシステム
クライアントサーバシステムの特徴,2 層クライアントサーバシステム,3 層クライアントサーバシステムの構成を理解する。また,データベースに対するストアドプロシージャなど,関連技術の特徴を理解する。
用語例 プレゼンテーション層,ファンクション層,データベースアクセス層,クライアント,サーバ,シンクライアントシステム,RPC,ローカル処理の応答速度,コスト性能比,柔軟性,管理責任,サーバへの利用集中

(5)Web システム
Web システムの特徴,アーキテクチャ,構成,各層間の通信の仕組みを理解する。

用語例 Web ブラウザ,Web サーバ

(6)RAID
複数の磁気ディスク装置をまとめて一つの装置として扱い,信頼性や速度を向上させる技術であるRAID の種類と特徴,NAS,SAN などストレージ関連技術の特徴を理解する。

用語例 RAID0,RAID1,RAID2,RAID3,RAID4,RAID5,RAID6,ストライピング,ミラーリングパリティ,チャンクサイズ

(7)信頼性設計
システム障害の影響を最小限に抑えるフォールトトレラントやヒューマンエラー回避技術など,信頼性設計に関する考え方,どのようなシステム構成,技術があるかを理解する。

用語例 フォールト,信頼性ブロック図,予備切替,並列運転,競合制御,,アクティブ-スタンバイ構成,アクティブ-アクティブ構成,フォールトトレラントシステム,フォールトアボイダンス,フ

■H29秋
問12 1台のコンピュータで複数の仮想マシン環境を実現するための制御機能はどれか。
ア シストリックアレイ     イ デスクトップグリッド
ウ ハイパバイザ       エ モノリシックカーネル





【正解】ウ

■H28春
問14 仮想サーバの運用サービスで使用するライブマイグレーションの概念を説明したものはどれか。
ア 仮想サーバで稼働しているOSやソフトウェアを停止することなく,他の物理サーバヘ移し替える技術である。
イ データの利用目的や頻度などに応じて,データを格納するのに適したストレージヘ自動的に配置することによって,情報活用とストレージ活用を高める技術である。
ウ 複数の利用者でサーバやデータベースを共有しながら,利用者ごとにデータベースの内容を明確に分離する技術である。
エ 利用者の要求に応じてリソースを動的に割り当てたり,不要になったリソースを回収して別の利用者のために移し替えたりする技術である。





【正解】ア

■H26秋
問10 ストレージ技術におけるシンプロビジョニングの説明として,適切なものはどれか。
ア 同じデータを複数台のハードディスクに書き込み,冗長化する。
イ 一つのハードディスクを,OSをインストールする領域とデータを保存する領域とに分割する。
ウ ファイバチャネルなどを用いてストレージをネットワーク化する。
エ 利用者の要求に対して仮想ボリュームを提供し,物理ディスクは実際の使用量に応じて割り当てる。


provision(準備、提供)とは、システム構築のために、ネットワークやストレージを準備すること。規模を予想して大規模な設備を用意するのが過去のやり方。
シン・プロビジョニング(Thin Provisioning)は、仮想化技術を使えば、自由に追加変更できるので、これらの準備(provision)が少なく(=thin、薄い)ということ。

【正解】エ

平成28年秋期 午前 問13
問13 仮想サーバの冗長化設計における可用性評価に関する記述のうち,クラスタソフトウェアを用いた評価として,適切なものはどれか。

ア OS,アプリケーション及びハードウェアの障害に対応し,障害時に障害が発生していないサーバに自動的に処理を引き継ぐので,切替え時間の短い安定した運用が求められる場合に有効である。
イ 仮想サーバを停止させずに物理サーバ間で仮想サーバを移動することが可能となるので,メンテナンスなど業務移行の際も含めて業務の停止が全く許容できない場合に有効である。
ウ 物理サーバに備わっている機能を利用するので,ハードウェアの障害にだけ対応し,障害時に業務停止が許容される場合に有効である。
エ 物理サーバのリソース(CPU,メモリなど)をブロック単位に物理的に分割し,あるブロックの障害が他のブロックに影響しないようにするので,障害時に業務の停止が許容できない場合に有効である。
正解は、アです。

問12 データベース(DB)へのアクセスを行うブラウザからのリクエスト処理を, Webサーバが受信し解読した後に行う一連の実行処理の順序はどれか。ここで,Webサーバはリクエスト処理ごとにDBへの接続と切断を行うものとする。

〔実行処理〕
① DBの切断
② DBへのアクセス
③ DBへの接続
④ HTML文書の組立て
⑤ SQL文の組立て
⑥ ブラウザヘの送信

ア ③,②,⑤,④,⑥,①
イ ③,④,②,⑤,⑥,①
ウ ③,④,⑤,②,⑥,①
エ ③,⑤,②,④,⑥,①
正解は、エです。

1.処理形態
集中処理,分散処理,並列処理などがあります。

(1)集中処理と分散処理
 システムを1カ所集中で管理するのか、分散して管理するかの違いです。それぞれのメリットデメリットを簡単に押さえておきましょう。
たとえば、ファイルサーバを、本社やデータセンターの1カ所に集中させるか、各拠点ごとに分散させるかを考えてみます。
ア)集中処理のメリット
・一元管理がしやすい。(利用者の管理、バックアップなどの運用、保守作業など)
・高品質のシステムが作れる(場合がある)。バラバラに開発するのではなく、予算や人員を結集して作るため。

イ)分散処理のメリット
・コストが抑えられる。集中処理だと、開発費も高くなるし、高性能のものを準備せざるを得ない。
・単一障害点にならない

(2)分散処理と並列処理
並列処理は、たとえば複数のCPUで処理するマルチプロセッサがあります。
分散処理と並列処理は別物ですが、分散したシステムで並列に処理することも可能です。複数のコンピュータを並べて並列に処理するグリッドコンピューティングが、その代表例でしょう。

2.システム構成
代表的なシステム構成を理解しておきましょう。
(1)デュアルシステムとデュプレックスシステム
http://sm.seeeko.com/archives/53642998.html

(2)クライアントサーバシステム
3層クライアントサーバシステムを理解しましょう。
http://sm.seeeko.com/archives/65910252.html

(3)シンクライアント
http://sc.seeeko.com/archives/3844511.html

(4)RAID
RAIDに関しては、以下を参照ください。
http://nw.seeeko.com/archives/50536846.html

デュアルシステムとデュプレックスシステムという、システムを2重化する仕組みがあります。
言葉がよく似ていますが、両者の違いを含めて理解しましょう。

1.デュアルシステム
2つのシステムを同時に処理させ、両方の結果を確認します。
過去問(H24年秋FE午前問14)では、デュアルシステムの説明として,「同じ処理を行うシステムを二重に用意し,処理結果を照合することで処理の正しさを確認する。どちらかのシステムに障害が発生した場合は,縮退運転によって処理を継続する」と述べられています。

2.デュプレックスシステム
デュアルシステムと違い、片方は待機しています。
過去問(H24年秋FE午前問14不正解選択肢)では、「オンライン処理を行う現用系と,バッチ処理などを行いながら待機させる待機系を用意し,現用系に障害が発生した場合は待機系に切り替え,オンライン処理を続行する」とあります。

3.ホットスタンバイとコールドスタンバイ
ホットスタンバイとコールドスタンバイは考え方です。熱い(ホット)状態で、いつでも食べられるのか、冷たい(コールド)状態で、今から調理して食べるかの違いです。

過去問(H24年秋FE午前問14不正解選択肢)では、「待機系に現用系のオンライン処理プログラムをロードして待機させておき,現用系に障害が発生した場合は,即時に待機系に切り替えて処理を続行する」とあります。
この「即時に」というのがホットスタンバイです。

実際には、デュプレックスシステムで実現されるとも言えます。
たとえば、以下のように考えてください。
①デュプレックスシステム(ホットスタンバイ)
 片方は待機。障害時には自動で切り替え。
②デュプレックスシステム(コールドスタンバイ)
 片方は待機。障害時には手動で切り替え。

過去問(H24春IP問56)を見てみましょう。
問56 ホットスタンバイ方式の説明として,適切なものはどれか。
ア インターネット上にある多様なハードウェア,ソフトウェア,データの集合体を利用者に対して提供する方式
イ 機器を2台同時に稼働させ,常に同じ処理を行わせて結果を相互にチェックすることによって,高い信頼性を得ることができる方式
ウ 予備機をいつでも動作可能な状態で待機させておき,障害発生時に直ちに切り替える方式
エ 予備機を準備しておき,障害発生時に運用担当者が予備機を立ち上げて本番機から予備機へ切り替える方式
イ:デュアルシステム
ウ:正解選択肢
エ:コールドスタンバイ

4.ホットサイト、ウォームサイト、コールドサイト
過去問(H26秋FE午前問13)を見てみましょう。
問13 バックアップシステム構成におけるホットサイトに関する記述として,適切なものはどれか。
ア 共同利用型のサイトを用意しておき,障害発生時に,バックアップしておいたデータやプログラムの媒体を搬入してシステムを復元し,業務を再開する。
イ 待機系サイトとして稼働させておき,ネットワークを介して常時データやプログラムの更新を行い,障害発生時に速やかに業務を再開する。
ウ 予備のサイトにハードウェアを用意して,定期的にバックアップしたデータやプログラムの媒体を搬入して保管しておき,障害発生時にはこれら保管物を活用してシステムを復元し,業務を再開する。
エ 予備のサイトをあらかじめ確保しておいて,障害発生時には必要なハードウェア,バックアップしておいたデータやプログラムの媒体を搬入してシステムを復元し,業務を再開する。
ホットサイト、ウォームサイト、コールドサイト順に、復旧に時間がかかります。今回問われているのはホットサイトですから、最も再開しやすい状態のものを探せばいいでしょう。
正解はイです。アとウはウォームサイト、コールドサイト、エはハードウェアの搬入から始めていますから、コールドサイトです。

信頼性設計に関して、似たような言葉が多いので,違いをきちんと理解します。

フールプルーフ(fool proof)
fail proofではなく,fool proofであり,fool(愚か者)にproof(耐える)システムを指します。例えば,システム画面でfoolな初心者が間違った操作をしようとしても間違った操作そのものをできないようにします。

② フォールトアボイダンス(fault avoidance)
fault(過失)のavoidance(回避)という意味です。信頼性の高い機器を入れる,十分な設計レビューをする,テストを十分に行う,定期点検を行うなど,障害の発生を回避するという考え方全般をいいます。

フォールトトレラント(fault tolerant)
フォールトトレランス(fault tolerance)ともいいます。fault(過失)に tolerant(寛大)という意味です。システムを冗長化することで,故障が起こってもシステム全体の停止にはならないため寛大(tolerant)な態度をとることができます。

フェールソフト(fail soft)
フォールバック(fall back)と似たような考えで,障害発生時にシステム全体の停止をしないようにする考え方です。過去問(H22秋SA午前2問20)では、「装置の一部が故障しても,システムの全面的なサービス停止にならないようにする。」とあります。

⑤ フェールセーフ(fail safe)
Safety(安全)というキーワードが示すとおり,故障発生時にシステムや人に対して安全に働くような仕組みです。石油ストーブが,地震などの揺れを感知すると自動的に消化する仕組みがその一例です。

⑥ フォールバック(fall back)
縮退運転のことです。フェールソフトと似た概念で,障害発生時に一部の機能を切り離すなどしてシステム全体の停止を防ぐことを意味します。fallは「落ちる,倒れる」などの意味ですが、この場合は後ろ(back)に戻る(fall)と考えれば良いでしょう。

ーーーー過去問

■H28春問16, ■H25秋問16 
フェ―ルセーフの考え方として,適切なものはどれか。
ア システムに障害が発生したときでも,常に安全側にシステムを制御する。
イ システムの機能に異常が発生したときに,すぐにシステムを停止しないで機能を縮退させて運用を継続する。
ウ システムを構成する要素のうち,信頼性に大きく影響するものを複数備えることによって,システムの信頼性を高める。
エ 不特定多数の人が操作しても,誤動作が起こりにくいように設計する。
【正解】ア

■H27秋
問14 システムの信頼性設計に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア フェールセーフとは,利用者の誤操作によってシステムがダウンしてしまうことのないように,単純なミスを発生させないようにする設計方法である。
イ フェールソフトとは,故障が発生した場合でも機能を縮退させることなく稼働を継続する概念である。
ウ フォールトアボイダンスとは,システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
エ フォールトトレランスとは,故障が生じてもシステムに重大な影響が出ないように,あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し,全体として安全が維持されるような設計方法である。
【正解】ウ

■H27春 問14 ■H25春 問15
システムの信頼性向上技術に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア 故障が発生したときに,あらかじめ指定されている安全な状態にシステムを保つことを,フェールソフトという。
イ 故障が発生したときに,あらかじめ指定されている縮小した範囲のサービスを提供することを,フォールトマスキングという。
ウ 故障が発生したときに,その影響が誤りとなって外部に出ないように訂正することを,フェールセーフという。
エ 故障が発生したときに対処するのではなく,品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高めることを,フォールトアボイダンスという。

【正解】エ

■H23秋AP
問26 フールプルーフに該当するものはどれか
ア 更新の対象となるデータをコピーして保存する。
イ 入力したデータの取消し操作を行うことができるようにする。
ウ メニュー画面上の使用権限のない機能は,実行できないようにする。
エ 利用者の操作内容をログとして保存する。

正解:ウ

フェイルソフト(fail soft)とフォールバック(fall back)は、どちらも障害発生時に一部の機能を切り離すなどしてシステム全体の停止を防ぐことを意味します。

どちらも同じと思っていただいていいです。
違いを言うならば、フェールソフトは概念や技術を意味し、フォールバックは縮退運転と説明されるように、行為を指します。

もう少し具体例を言います。フォールバックは縮退という言葉の通り、通常より性能を縮退させます。たとえば、CPUを3枚搭載しているサーバにてCPUが故障した場合、故障したCPUを取り外してでもシステム停止を阻止します。これに対し、フェールソフトでは、システム全体の停止をしないようにする考え方なので、縮退とは限りません。CPUの件では、CPUを3枚搭載することによって、システム全体の停止を防ごうという考え方もフェールソフトと言えます。

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