これを読みながら、自分がやろうとしているIT教育のゲーミフィケーションについて考えていきたい。

■知見
・p2 モノポリーは、「開発された当初は、資産所有や徴税などの経済概念の教育のために開発された」
・p4 ゲーム教育・学習の歴史的変遷
 エデュティメント→シリアスゲーム→ゲーミフィケーション

■ゲームの研究について
・p5に「娯楽ゲーム的な演出やクイズを取り入れた程度にとどまるのも珍しくない」とある。私はこちらに寄っているが、線引きは難しく、本書で述べられているような本格的なゲームの開発だけではなく、ゲームの要素を入れていくという研究が進んでもいいのではないか。★★
→たしかに、単にクイズを入れるだけというのは、あまり意味が無い。ゲームを通じて、ゲームでしか学べない経験をするのが、ゲームの研究だと思う。授業の最後にゲームを入れて、生徒のモチベーションを上げることは大事である。それはそれで、そういう研究も必要だ。それとは別に、ゲームならではのこと。私の場合は、セキュリティの実機のシュミレーション環境を作り、日常業務ではできないし、本では学べない経験をしてもらう。もちろん、全部の機材をそろえれば、構築そのものはできる。でも、セキュリティで言えば、攻撃されることは無いので、攻撃されるというゲームでしかない環境を作り、学んでもらう。ネットワークで言えば、トラブルが発生する。(LANケーブルが切れたり、ループしたり、故障したり、VLANを追加する必要があったり)。実際に構築するのは大変で、クラウドにプラットフォームがあればいいのではないか。→その仕組みづくりをサポートするものが必要?

・p10に、「娯楽ゲームはプレイヤーを強制ではなく、自発的に楽しんで参加させることが前提」とある。ゲームの魅力はまさにここだと思う。勉強という、やや嫌なものを、自発的に学ぶ。そして、それがきっかけとなって、本格的な学習につなげることこそ、教育にゲーム要素を取り入れる意義ではないか。★★

■ゲーム学習導入の障壁
p13に記載がある。1位は「時間不足」、2位は「コストの問題」、3位が「技術面のリソース問題」とある。たしかにそうだ。これは、ゲーム学習だけでなく、どんなものを作る場合でも、時間、金、人材や知識、技術がなければできない。
4位以降に、ゲーム学習ならではの課題が登場する。具体的には4位に「カリキュラムとの整合性」である。
なので、ゲーム学習を「本格的に」進めるのはかなりハードルが高い。小さなところからスタートする以外はないのではないか。
ちなみに、「保護者サイドの無理解」は9位と、低かった。