1.SLM(サービスレベル管理)
SLM(Service Level Management:サービスレベル管理)とは,合意したSLAのマネジメントである。つまり,SLAがを遵守すされるための継続的なマネジメント活動である。
また,試験センターからのシラバスでは次のような説明がある。
SLM
 SLM(Service Level Management:サービスレベル管理)は,サービスの利用者とサービスの提供者の間でSLAを締結し,PDCAマネジメントサイクルによってサービスの維持,向上を図る一連の活動であること,モニタリングの結果に応じてSLA やプロセスを見直すことを理解する。また,OLA(Operational Level Agreement:運用レベル合意書)を理解する。
(※応用情報技術者シラバス 中分類15:サービスマネジメント より引用)

2.可用性管理
可用性管理とは,RAS,つまりReliability(信頼性),Availability(可用性),Serviceability(保守性)を高めることで,ITサービスの可用性を高める活動である。
また,試験センターからのシラバスでは次のような説明がある。
可用性管理
 可用性管理は,サービスの利用者が利用したい時に確実にサービスを利用できるよう,IT サービスを構成する個々の機能の維持管理を行う一連の活動であることを理解する。
(※応用情報技術者シラバス 中分類15:サービスマネジメント より引用)
加えて、RTO,RPOという言葉も理解しておきましょう。
http://nw.seeeko.com/archives/50536565.html

3.キャパシティ管理
“キャパシティ管理”と似た概念で,“性能管理”という言葉がある。狭義に考えると,“キャパシティ”とは“容量”を意味するのでハードディスク容量などを意味し,“性能”はオンラインサービスの応答時間などを意味する。だが,
ITILにおけるキャパシティ管理はもっと広義にとらえられ,性能管理も包含する概念で定義されている。参考までに、JIS Q 20000では、キャパシティという言葉に“容量・能力”という訳を割り当てている。
また,試験センターからのシラバスでは次のような説明がある。
キャパシティ管理
 キャパシティ管理は,容量,能力などシステムのキャパシティを管理し,最適なコストで,現在及び将来の合意された需要を満たすために,サービス提供者が十分な能力をもっていることを確実にする一連の活動であることを理解する。
(※応用情報技術者シラバス 中分類15:サービスマネジメント より引用)
過去問(H22春AP午前)をみてみましょう。
問55 ITILのキャパシティ管理において,監視項目となるものはどれか。
ア インシデント発生件数
イ オペレータ要員数
ウ ディスク使用率
エ 平均故障間隔

【解説】
キャパシティ管理とは、容量であったり性能を管理するものです。容量や性能に関する内容は、ウのディスク使用率です。エの故障間隔も、性能と考えられるかもしれませんが、こちらは信頼性に関する内容です。よって、可用性管理の指標と言えます。
【正解】


4.ITサービス財務管理
ITサービス財務管理とは,ITサービスにかかわるコスト管理や,利用者への課金管理を行うプロセスである。
また,試験センターからのシラバスでは次のような説明がある。
IT サービス財務管理
 IT サービス財務管理は,IT サービスにかかわるコストの予測と実際に発生したコストの計算や課金の管理に関する一連の活動であることを理解する。また,サービスごとに必要なコストを算出し,基本的にはサービスの利用者(受益者)が負担するように課金を行うことを理解する。
(※応用情報技術者シラバス 中分類15:サービスマネジメント より引用)

5.ITサービス継続性管理
ITサービス継続性管理とは,BCP(Business Continuity Plan;事業継続性計画)やBCM(Business Continuity Management;事業継続性管理)のIT版と考えると理解しやすいだろう。また,試験センターからのシラバスでは次のような説明がある。
ITサービス継続性管理
 顧客と合意したサービス継続を,あらゆる状況の下で満たすことを確実にするための活動であること,また,サービス継続に関する要求事項は,事業計画,SLA及びリスクアセスメントに基づいて特定されなければならないことを理解する。
 ITILでは,ITサービス継続性管理は,災害発生時に最小時間でITサービスを復旧させ,事業を継続するために,リスクアセスメントやサービスの継続の計画立案と試験を行う一連の活動とされていることを理解する。
(※応用情報技術者シラバス 中分類15:サービスマネジメント より引用)

過去問(H19秋NW午前)をみてみましょう。
問19 ITサービスマネジメントのフレームワークであるITIL(Information Technology Infrastructure Library)におけるITサービス継続性管理の目的はどれか。
ア 自然災害などの非日常的な要因でシステムが停止した場合の対策を立て,ビジネスへの影響を許容範囲内に収める。
イ 日常的なハードウェア障害やソフトウェア不良による障害から業務処理が正常にできるまでに復旧させる。
ウ ビジネス活動に必要なシステムを,必要なときに利用可能であるように保証する。
エ 未知の問題が発生したときに,その問題を回避するための方策を立案する。
【解説】
アは正解選択肢です。ITサービス継続性管理は、BCPやBCMと同じ目的と考えていいでしょう。自然災害などの非日常的な要因でシステムが停止した場合の対策を立てることです。
イはインシデント管理に関する内容です。
ウは、可用性管理に関する内容です。
エは、問題管理に関する内容です。

【解答】