システムの性能評価指標として、次の2つを理解しましょう。

1.スループット

単位時間あたりの処理量のことです。過去問(H24年春AP午前問18)では、「単位時間当たりのジョブの処理件数のことであり,スプーリングはスループットの向上に役立つ」と述べられています。

違う過去問(H26年春FE午前)を解きましょう。
問14 スループットに関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア ジョプの終了と次のジョブの開始との間にオペレータが介入することによってシステムに遊休時間が生じても,スループットには影響を及ぼさない。
イ スループットはCPU性能の指標であり,入出力の速度,オーバヘッド時間などによって影響を受けない。
ウ 多重プログラミングはターンアラウンドタイムの短縮に貢献するが,スループットの向上には役立たない。
エ プリンタへの出力を一時的に磁気ディスク装置に保存するスプーリングは,スループットの向上に役立つ。
アですが、システムに遊休時間があるということは、単位時間あたりの処理量は下がってしまいます。
イですが、CPU性能だけではありません。入出力の速度,オーバヘッド時間なども含めた、システム全体の処理性能です。
ウですが、多重プログラミングにより、複数の処理が並列で実行されます。結果として、単位時間あたりの処理量が増えます。
エが正解です。プリンタの処理は非常に遅いのですが、それをスプーリングすることで、CPU処理を他の処理にまわすことができます。結果として、システムとしての処理量を増やすことができます。

2.レスポンスタイム(応答時間)とターンアラウンドタイム

(1)レスポンスタイム
Webのシステムをイメージすると分かりやすいと思います。「実行」ボタンを押してから、結果が返ってくるまでにどれくらの時間がかかるかが、レスポンスタイム(応答時間)です。過去問(H17春AD午前問7不正解選択肢)では、「入力装置からの入力が完了してから,出力装置への出力が開始されるまでの時間」とあります。

(2)ターンアラウンドタイム
一方、ターンアラウンドタイムという言葉もあります。過去問(H17春AD午前問7)では、「ターンアラウンドタイムの説明として」「ジョブをコンピュータシステムに投入してから,それに対する結果全体が得られるまでの時間」とあります。また、「「ターンアラウンドタイムは,端末がデータを回線に送信し始めてから応答データを受信し終わるまでの時間(H27秋AP午前問31の問題文中より)」ともあります。 
つまり、(1)と(2)の違いは、応答の開始(レスポンスタイム)なのか、全ての結果が返ってくるまでの時間(ターンアラウンドタイム)なのかです。また、厳密にいうと、前段階の処理も、ターンアラウンドタイムには含まれるが、レスポンスタイムには含まれないようです。

過去問(R元年秋SG 午前45)を参考にすると、以下です。以下を見ると、レスポンスタイムは、ボタンを押してからで、ターンアラウンドタイムはブラウザを起動してからです。

問45 Webシステムの性能指標のうち,応答時間の説明はどれか。
ア Webブラウザに表示された問合せボタンが押されてから,Webブラウザが結果を表示し始めるまでの時間 →応答時間(=レスポンスタイム)
イ Webブラウザを起動してから,最初に表示するようにあらかじめ設定したWebページの全てのデータ表示が完了するまでの時間 →ターンアラウンドタイム

3.おまけ

さて、最近の応答時間はとても高速化されています。Googleの検索でも、入力にしたがって検索結果が変化しています。なんて高速な処理なんだと驚かされます。
また、「東証は売買注文を受信してから応答を返すまでの処理を2ミリ秒以下でこなせる株式売買システム「arrowhead」の開発に130億円を投じている(日経コンピュータ2011年12月18日号P10より引用)」と述べられています。すごい世界ですね。