
それぞれの契約に関して、過去問(H25年秋AP午前問80)をもとに整理します。
請負契約 | 準委任契約 | 派遣契約 | |
概要 | 「プログラムの制作など,仕様書などに従って定められた仕事の完成を約束する契約である。仕事の進め方は受託側の自由裁量が認められている。(H25年秋AP午前問80の不正解選択肢)」 | 「業務分析やIT戦略のコンサルティングなど,作業や事務の遂行を約束する契約である。仕事の完成は約束されないが,委託元の求めに応じて報告の義務がある。(H25年秋AP午前問80)」 | 「派遣元が雇用する社員を派遣先に派遣し,派遣先の上司の指揮命令や時間管理の下に派遣された社員がシステムの開発や運用に従事する契約である。(H25年秋AP午前問80の不正解選択肢)」 |
完成責任 | 有 | 無 | 無 |
瑕疵担保責任 | 有 | 無 | 無 |
発注者による直接指示 | 不可 | 不可 | 可能 |

過去問(H16秋PM午後Ⅰ設問2)を参考にすると、以下があります。
・請負契約なのに成果物の随時の引渡しを求める
・契約相手会社の社員に対して直接指示する
・直接の契約関係にない会社に対して成果物の引渡しを求める
・直接の契約関係にない会社の社員に対して直接指示したりする
過去問(H21秋AP午前)を見てみましょう。
問79 A社はB社に対して業務システムの開発を委託し,A社とB社は請負契約を結んでいる。作業の実態から,偽装請負とされる事象はどれか。 ア A社の従業員が,B社を作業場所として, A社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。 イ A社の従業員が,B社を作業場所として,B社の責任者の指揮命令に従ってシステムの検証を行っている。 ウ B社の従業員が,A社を作業場所として,A社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。 エ B社の従業員が,A社を作業場所として,B社の責任者の指揮命令に従って設計書を作成している。 |

以下も参照ください。
http://sm.seeeko.com/archives/65870844.html

システム開発の現場では、お客様先で常駐して作業することがよくあります。でも、契約内容は、「準委任契約」の「派遣契約」の両方があります。両者の違いは、上記にありますように、「作業や事務の遂行を約束する契約(準委任契約)」のか、「社員が従事する契約(派遣契約)」なのかです。

契約する内容が、準委任では「仕事」、派遣契約では「人」ということですね。
ざっくりいうと、そうなります。準委任契約では「人」を派遣しますが、受託しているのは運用や開発などの「業務」です。発注元は、契約外の業務を、あたかも自分の部下のようにあれこれやらせることはできません(=準委任契約では直接指示ができません)。
しかし、派遣法では履行すべき義務が多いことから、準委任契約が活用されることがよくあるのです。
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