
過去問(H20春AD問80)では、e-文書法の説明として、「各種法令によって保存が義務付けられている文書について,電子化された文書フアイルでの保存を可能とするもの」と述べられています。
これにより、3万円未満の領収書に関しては、紙ではなくスキャナ読取りによる保存が認められるようになりました。
また、e-文書法に関する要件に関しては、そのポイントが過去問(H19年春AU午後Ⅰ)の中でまとめられています。
・会社は国税当局に申請して承認を受けることで,一定の書類をスキャナで読み取って作成された電磁的記録によって保存することができる。 ・取引に関して相手から受け取った契約書,領収書,その他これらに準ずる書類及び自己の作成した書類に記載された契約金額又は受取金額が,3万円未満のものを対象とする。 ・スキャナは,ドット及び階調がそれぞれ法令で定められた一定の条件以上で読み取るものである。当該関係書類にかかわる記録事項の入力は,作成後又は受領後,速やかに行う。 ・読み取る際に,当該入力者又は監督者の電子署名及びタイムスタンプを付加する。 ・保存された電磁的記録は,有効期間中,速やかに出力できるようにしておく。 |

電子帳簿保存法は、納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を目的として、本来は紙ベースでの保存だったものを、電磁的記録等による保存等を容認しようとするものです。
過去問(H17春AU午前)を見てみましょう。
問41 “電子帳簿保存法"に関する記述のうち,適切なものはどれか。 ア 国税関係帳簿書類は,電子帳簿保存法が定める電子計算機システムの要件を満たせば電磁的記録のまま保存できる。 イ 国税関係帳簿書類を電磁的記録として保存するには,これらを作成するシステム関係書類も備え付けておく必要がある。 ウ 電子帳簿保存法が対象とする電子取引には, EDIやインターネットによる取引は含まれない。 エ 電磁的記録について訂正又は削除を行った場合は,その事実及び内容を帳簿として備えておかなければならない。 |
ア:不正解です。単に要件を満たすだけではダメで,上記の過去問を引用した要件にあるように「会社は国税当局に申請して承認を受ける」ことが必要です。
イ:正解選択肢です。
ウ:EDIやインターネットによる取引も含まれます。
エ:事実及び内容を確認できるようにする必要はありますが、帳簿までは不要です。
もう一問、過去問(H27春AU午前2)を見てみましょう。
問15 電子帳簿保存法の要件に反しない事実関係はどれか。 ア 自社内に会計システムをもたない会社が,委託先会計事務所の電子計算機を用いて,取引の最初の記録から一貫して国税関係の帳簿を作成している。 イ 支店などの新設がない場合において,仕訳帳を会計期間の中途から電磁的に記録している。 ウ 電子帳簿保存を行うシステム関係書類(システム概要書,システム仕様書,操作説明書)の備え付けはしていない。 エ 電子帳簿保存を行うシステムで仕訳情報の登録,削除の内容は検索できるが,訂正の内容は検索ができない。 |
難しいですね。解説は別途記載します。

2000年に制定されたIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)は、その名の通り高度な情報通信ネットワーク社会の形成を目的としています。この法律ではIT戦略本部が設置され、翌2001年のe-Japan戦略へとつながっていきます。

コンプライアンス(法令遵守)は、法律やルールを守ることです。過去問(H27AP秋午前問74)では、「企業経営における,コンプライアンス強化の説明」として、「企業存続の危機につながりかねない,経営者や従業員による不法な行為の発生を抑制する。」と述べられています。
また、法律では制限されていないことでも、モラルや倫理の観点から守るべきことがあります。たとえば、情報倫理として、SNS等で他人の悪口を書かないことがあります。技術者倫理としては、技術士の有資格者向けの「技術士倫理綱領」に、「業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない」などがあります。
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