1.信号処理に関して

 信号処理に関して、応用情報技術者試験シラバスでは、以下の記載があります。

(1)信号処理
アナログ波形を分析して,雑音を除去し,特徴を抽出する信号処理の考え方,仕組みを理解する。
用語例 DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換),FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換),インパルス応答,フィルタ(ローパスフィルタ,ハイパスフィルタ,バンドパスフィルタ,ディジタルフィルタ),サンプリング定理,D/A 変換,A/D 変換

2.A/D変換

 会話や通話はアナログの波です。これを、TCP/IP上で通信をするには、0と1で表されるデジタル化をする必要があります。つまりアナログ(Analog)からデジタル(Digital)に変換する処理が必要です。
 A/D変換(アナログ/デジタル変換)に関しては、以下に記載しています。
http://nw.seeeko.com/archives/50493771.html

3.A/D変換に関する過去問

(1)平成28年秋期 午前

問22 音声を標本化周波数10 kHz,量子化ビット数16ビットで4秒間サンプリングして音声データを取得した。この音声データを,圧縮率1/4のADPCMを用いて圧縮した場合のデータ量は何kバイトか。ここで,1kバイトは1,000バイトとする。

ア 10  イ 20  ウ 80  エ 160 



標本化周波数10 kHzなので、1秒間に10k回のデータが存在します。量子化ビット数16ビットなので、1回のデータ量は16ビットです。
それを4秒間サンプリングし、1/4の圧縮をしたので、全部をかけ合わせます。
10k×16×4÷4=160kbit

これをバイトに直すために8で割ると、20kバイトです。

正解:イ

(2)H23秋FE午後問1

問1 A/D変換に関する次の記述を読んで,設問1~3に答えよ。

 A/D変換とは,アナログ信号をディジタル信号に変換することであり,標本化,量子化,符号化の3段階で処理する。直流の電圧を例にnビットのA/D変換を説明する。
(1)標本化
 標本化では,時間的に連続したアナログ信号である電圧を一定の時間間隔で測定する。図1では,時間軸をt0,t1,…と等間隔dで区切り,各時刻での電圧をv(t1),v(t1),…と表す。
2011h23a_fe_pm_qs_1

2011h23a_fe_pm_qs_2
2011h23a_fe_pm_qs_3
(3)符号化
 符号化では,(2)の量子化で用いた電圧v0,v1,…, vmaxに2進符号を対応付ける。この符号によって,各測定値を表す。

 

設問1 図2左の電圧v(t0),v(t1),…,v(t10)だけの符号化を考える。図2右の電圧v0,v1,…,v7を2進符号000,001,…,111に順に対応付けた場合を表1に示す。
2011h23a_fe_pm_qs_4

 図2左のv(t0),v(t1),…,v(t10))の各測定値を,表1に基づいて符号化すると表2のようになる。表2中の[    ]に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
2011h23a_fe_pm_qs_5
  注記 網掛けの部分は表示していない。

解答群
ア 011  イ 100  ウ 101  エ 110  オ 111



正解は、
a エ
b ウです。

設問2 次の記述中の[    ]に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

 アナログ信号の電圧の範囲が0~9Vであるとき,FSRを9Vとし, 4ビットで量子化した場合,qは[  c  ]である。アナログ信号の電圧7.49…Vの測定値は[  d  ]Vとなり,表1の場合と同様に2進符号0000,0001,…,1111に順に対応付けて符号化すると[  e  ]となる。

c, dに関する解答群
ア 0.5625    イ 0.6  ウ 1.2  エ 2.25  オ 5.5
カ 7.0   キ 7.2  ク 7.5  ケ 7.8   コ 8.0

eに関する解答群
ア 1010  イ 1011  ウ 1100  エ 1101  オ 1110



正解は、
c イ
d キ
e ウです。

設問3 次の記述中の[    ]に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
 FSRが1,022ミリVであるアナログ信号の電圧を,50ミリ秒間隔で5秒間標本化した。このとき, A/D変換後の総データ量を1,000ビット以内に納めることができる刻み幅qの最小値は[  f  ]ミリVである。

解答群
ア 0.1  イ 0.5   ウ 1.0   エ 1.5  オ 2.0  カ 2.5  キ 3.0



正解は、オです。