1.揮発性メモリと不揮発性メモリ

半導体メモリは大きく、電源を切ってもデータを保持できるか否かで、揮発性メモリと不揮発性メモリに分けられます。
(1)RAM:揮発性メモリ  →電源を切ってもデータを保持できる
揮発性メモリはRAM(Random Accdess Memory)に分類される。
 ①SRAM
  キャッシュメモリで使われます。
 ②DRAM
  メインメモリ(主記憶)で使われます。

(2)ROM:不揮発性メモリ →電源を切ったらデータが消える
不揮発性メモリはROM(Read Only Memory)に分類される。ROMだらかRead Onlyと思われるかもしれないが、書き換え可能なUSBメモリなどのフラッシュメモリも含まれる。技術的な仕組みで分類すると、不揮発性メモリに分類されると考えておこう。
 ①マスクROM
   たとえば、昔のゲーム機のソフトなど、書き換えが必要が無い場合に利用。コストが安く抑えられるのが利点。
 ②PROM
  その中に、EEPROMに文類されるUSBメモリ(フラッシュメモリ)がある。

半導体メモリに該当する部分を簡単に図にすると、以下のようになります。

メモリ
▼図:半導体メモリの全体像

2.揮発性メモリ 

電源を切るとデータを保持できない。パソコンのメインメモリ(主記憶)を思い浮かべてください。PCのメモリ情報は、電源を入れると消えますよね。
①SRAM
高速なので、フラッシュメモリに利用されます。過去問では、「アクセスが高速なので,キャッシュメモリなどに使用される(H18春AD午前問1)」、「高速に書換えができ,CPUのキャッシュメモリに用いられる。(H28秋AP午前問21)」、・・・ 
②DRAM
主記憶(メインメモリ)に利用されます。過去問では、「リフレッシュ処理が必要であるが何度でも書換えができるので,主記憶などに使用される(H18春AD午前問1)」、「周期的にデータの再書込みが必要である(H28秋AP午前問21)」・・・

リフレッシュ
DRAMは時間が経過すると、電荷が失われ、データが消えてしまいます。そこで、リフレッシュ(再書き込み)が必要になります。
 

 

用途

価格

速度

リフレッシュ

DRAM

メインメモリ

安い

遅い

必要

SRAM

キャッシュメモリ

高い

速い

不要

3.不揮発性メモリ

電源を切ってもデータを保持できる。USBメモリがその代表です。電源を切っても(PCから抜いても)、データは消えませんよね。

①マスクROM
工場でデータを書き込み、利用者が書き換えることはできません。ゲームソフトのように、一度書き込んだら後から変えないようなもので利用されます。書き換えることができない反面、大量生産でコストを抑えることができます。
過去問(H23秋FE午前問12)では、「組込みシステムのプログラムを格納するメモリとして,マスクROMを使用するメリット」として、「イ 出荷後のプログラムの不正な書換えを防ぐことができる」と述べられています。

②PROM(Programmable ROM)
利用者がプログラム操作(Programmable)等によって書き換える記憶装置です。
  ア)UV-EPROM(Ultra-Violet Erasable PROM):Ultra-Violetとは、紫外線のことです。「UVケア」という言葉は、日常的に使いますよね。Ultra-Violet Erasableなので、紫外線(UV)で消去可能(Erasable)という意味です。 過去問では、「紫外線で全内容の消去ができる(H28秋AP午前問21)」 
  イ)EEPROM(Electrically Erasable PROM): ここに分類されるものの一つにフラッシュメモリがある。フラッシュメモリに関して過去問では、「ブロック単位で電気的に内容の消去ができる(H28秋AP午前問21)」、「書換えができる記憶保持型のメモリなので, USBメモリやSDカードに使用される(H18春AD午前問1)」、「ディジタルカメラの画像データや携帯音楽プレーヤの音楽データの記録媒体として利用されている(H21秋FE午前問9)」と述べられています。
応用情報技術者試験を勉強する成子 

CD-ROMはどちらに含まれるのですか?
CD-ROMやDVD-Rなどは、電子機器ではなく、半導体で出来ていません。よって、そもそも半導体メモリではありません。

半導体メモリに該当する部分を簡単に図にすると、以下のようになります。
 

4.過去問

■平成28年秋期 午前 問21
問21 フラッシュメモリに関する記述として,適切なものはどれか。

ア 高速に書換えができ,CPUのキャッシュメモリに用いられる。
イ 紫外線で全内容の消去ができる。
ウ 周期的にデータの再書込みが必要である。
エ ブロック単位で電気的に内容の消去ができる。

正解は、エです。

■H17春FE午前問16
問16 電気信号によってデータの書換え,消去が可能なメモリであり,電源を切っても内容を保持できるものはどれか。
ア DRAM
ウ フラッシュメモリ
イ SRAM
エ マスクROM
正解はウのフラッシュメモリ

■H18春AD午前問1
問1 フラッシュメモリの特徴として,適切なものはどれか。
ア アクセスが高速なので,キャッシュメモリなどに使用される。 ⇒SRAM
イ 一度しか書き込めないので,プログラムメモリなどに使用される。⇒ROM
ウ 書換えができる記憶保持型のメモリなので, USBメモリやSDカードに使用される。⇒正解、フラッシュメモリ
エ リフレッシュ処理が必要であるが何度でも書換えができるので,主記憶などに使用される。⇒DRAM

■(H22春IP問81)
問81 フラッシュメモリに関する記述として,適切なものはどれか。
ア 一度だけデータを書き込むことができ,以後読出し専用である。
イ 記憶内容の保持に電力供給を必要としない。
ウ 小型化が難しいので,ディジタルカメラの記憶媒体には利用されない。エ レーザ光を用いてデータの読み書きを行う。

■H22秋AP午前
問70 ワンチップマイコンの内蔵メモリとしてフラッシュメモリが採用されている理由として,適切なものはどれか。
ア ソフトウェアのコードサイズを小さくできる。
イ マイコン出荷後もソフトウェアの書換えが可能である。
ウ マイコンの処理性能が向上する。
エ マスクROMよりも信頼性が向上する。

■H21秋IP
問57 フラッシュメモリを用いたSSD (SoUd State Drive)\t,ハードディスクの代わりとして期待されている記憶装置である。このSSDを用いるときに留意すべき点はどれか。
ア 書込み回数に上限がある。
イ 書込みより読出しが遅い。
ウ 振動や衝撃に弱い。
エ ファイルの断片化による性能悪化が著しい。

■H24春FE午前
問12 DRAMのリフレッシュ動作の説明として,適切なものはどれか。
ア 一定時間ごとに内容を外部記憶装置に書き込む。
イ システムの電源投入時に,全領域を0で初期化する。
ウ データを保持するために,一定時間ごとにアクセスする。
エ 内容を更新するときに,データを一旦消去する。