IT サービスマネジメントフレームワークとして、ITIL ( Information TechnologyInfrastructure Library)があります。

1.ITIL(アイティル)とは
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)を直訳すると「ITの基盤となる図書」となります。Library(図書)といわれるだけあって,ITILv2では7冊の本にまとめられ,ITILv3では5冊の本にまとめられています。

ITILはイギリス発祥のITサービスまた又はシステム管理におけるベストプラクティスであり,日本を含めて世界でのデファクトスタンダードといえます。ITサービスマネージャ試験は,ITサービスのベストプラクティスであるITILに沿った試験です。よって,ITILはぜひとも理解したい内容です。

ITILは規格ではなく,単なるベストプラクティスでした。
そこで,英国規格協会によってBS15000として規格化され,その後,日本ではJIS Q 20000として規格化されました。JIS(Japanese Industrial Standards)は,“Japanese”と名前が付いているように日本の規格であり,JIS Q 20000-1(第1部 仕様)とJIS Q 20000-2(第2部 実践のための規範)に分かれています。
JIS Q 20000-1は、サービス事業者に対するサービスマネジメントシステムの要求事項です。サービスマネジメントのあるべき論と考えてもいいでしょう。

2.「サービスサポート」と「サービスデリバリ」
ITILの中で中心重要になるのが「サービスサポート」と「サービスデリバリ」です。サービスサポートは短期的(日常的)なITサービス活動で,サービスデリバリは中長期的なITサービス活動と考えることができます。
サービスサポートは,“サポート”という言葉のとおり,ユーザへのサポートを行い,サービスデスク(ヘルプデスク)を単一の窓口として,利用者からの問合せやインシデント(障害)対応などを行います。サービスデリバリでは,中長期的にITサービスの維持・改善活動を行い,例えばITサービス継続性管理では,災害などに備えた事業継続性を管理します。

(1)サービスサポート
・サービスデスク
・インシデント管理
・問題管理
・構成管理
・変更管理
・リリース管理

(2)サービスデリバリ
・サービスレベル管理
・ITサービス財務管理
・キャパシティ管理
・ITサービス継続性管理
・可用性管理