過去問(H22秋AP午前問67)では、「経営戦略に用いられるSWOT分析」として、「競争環境における機会・脅威と事業の強み・弱みを分析する」と述べられています。
SWOTとは、強み (Strength)、弱み (Weakness)、機会 (Opportunity)、脅威 (Threat) の4つの頭文字です。

では、過去問(H21春AP午後問3)をもとに、SWOT分析の具体例を確認しましょう。
プロジェクトチームは,経営環境の調査結果を表にSWOT分析表として整理し,考察を行った。
swot
SWOT分析の結果と考察〕
(1)弱みの分析
販売価格面で競合他社の廉価品と対抗するために製品の品質を下げた場合,経営理念に外れることになり,J社製品への信頼を失墜させるおそれがある。
単純な低価格戦略を採るのは妥当ではない。また,顧客情報管理体制の整備による営業力の強化や,配送先確認・配送計画立案の迅速化を図る必要がある。
(2)脅威の分析
高機能性ガラスはJ社のフィルムシートと形は異なるが,同様の顧客二-ズを満
たすので. J社のフィルムシートにとって[ a ]の脅威となる。高機能性ガラスの[ b ]がJ社のフィルムシートよりも高い場合,この脅威は増大する。
(3)強みと機会の分析
高機能・高品質な製品の開発力などの強みを生かして,一般家庭向けセキュリテイ(防犯)市場の拡大などといった機会をとらえるべきである。

K氏は、 (1)~(3)の分析結果に基づき1新製品戦略及び営業・物流戦略を中期経営計画の柱とすることにした。

〔新製品戦略〕
一般家庭向けセキュリティ(防犯)分野や省エネ対策分野向けに,高機能性ガラスよりも優れた新製品の企画・開発を行う。新製品の企画・開発に注力するために,経営資源が分散しがちな状況を是正する対策を実施する。また,企画・開発部門では新製品の開発に当たって,十分に顧客の声を分析する。
(後半略)

では、過去問(H22秋AP午前問67)を見てみましょう。
問67 経営戦略に用いられるSWOT分析はどれか。
ア 競争環境における機会・脅威と事業の強み・弱みを分析する。
イ 競争に影響する要因と,他社の動き,自社の動きを分析する。
ウ 市場に対するマーケティングツールの最適な組合せを分析する。
エ 市場の成長性と占有率の観点から各事業の位置付けを分析する。

では、過去問(H24春AP午前問66)を見てみましょう。
問66 戦略を立案するために,SWOT分析を実施した。市場機会を獲得するために自社の強みを生かすことができる戦略はどれか。
swot2
ア 意思決定の遅さを克服して市場の平均成長率を超える。
イ 営業力のなさを海外ベンダと提携して市場のグローバル化に対応する。
ウ 高い技術力を応用して海外ベンダの日本市場参入に対抗する。
エ データセンタの資源を生かしてクラウドコンピューティングサービスを提供する。
SWOT分析した結果の活かし方の基本は、「強み(S)」を「機会(O)」にぶつけることです。
今回の場合は、データセンタの強みをクラウド市場に投入するエが正解です。