性能や操作性、保守性、セキュリティ要件など、機能として具体的に設計書に表れにくいものが非機能要件です。
過去問(平成23年秋AP午前)では、非機能要件項目として「システム基盤に関わる可用性,性能,拡張性,運用性,保守性,移行性,セキュリテイ,システム環境などの項目」と述べられています。
具体例ですが、過去問(H21SA午前-問14)には、受注管理システムにおける非機能要件として「受注管理システムの稼働率を決められた水準に維持するために、障害発生時は半日以内に回復できること」とある

過去問(H22年FE秋午前)を解いてみましょう。
問64 非機能要件の定義に該当するものはどれか。
ア 業務を構成する機能間の情報(データ)の流れを明確にする。
システム開発で利用する言語に合わせた開発基準,標準を作成する。
ウ システム機能として実現する範囲を定義する。
工 他システムとの情報授受などのインタフェースを明確にする。
【正解】
イです。機能ではないものを探します。イの開発基準などは、利用者の機能ではありません。ただ、運用保守をするうえでは大事な内容なので、非機能要件として開発時に確認をしておくと便利です。

非機能要件も明確に定義した方がいいのですが、実際の現場では、以下ようにあいまいであることが多いものです。
・性能要件(システムの応答時間は明確な基準は考えていないが、あまり遅いのは困る)
・保守要件(障害時の復旧時間は決めていないが、できるだけ早く解決してほしい)
・移行要件(移行はSIerに任せるが、できるだけ利用者の負担を軽減し、なおかつ迅速にやってほしい)