なぜデータの正規化が必要なのでしょうか。過去問では、「データの正規化を行う目的」として,「データか重複したり,データ更新の際に矛盾が生じたりしないようにする(H21秋IP問63)」と述べられています。
以下のテーブルを見てください。

◆受注明細テーブル
受注番号明細番号商品コード商品名数量
158671TV2000620型テレビ20
158672TV2400524型テレビ10
158673TV2800728型テレビ5
158681TV2400524型テレビ8
(表はH22年AP午前問32より)

この受注明細テーブルは正規化されているでしょうか。
情報セキュリティマネジメント試験を目指す剣持成子_11 

正規化されていないと思います。
なぜなら、商品コードと商品名の状態がよくないと思います。
その通り。この表では、商品コードが決れば商品名が決まるのですが、不整合が起きる可能性があります。
たとえば、以下のように、同じ商品コード(TV24005)であっても、「24型テレビ」と「23型テレビ」という不整合が起きます。
受注番号明細番号商品コード商品名数量
158671TV2000620型テレビ20
158672TV2400524型テレビ10
158673TV2800728型テレビ5
158681TV2400523型テレビ8
このような不整合を無くすために正規化をします。
上記を正規化し、以下の2つのテーブルに分けます。

◆受注明細テーブル
受注番号明細番号商品コード数量
158671TV2000620
158672TV2400510
158673TV280075
158681TV240058

◆商品テーブル
商品コード商品名
TV2400524型テレビ
TV2000620型テレビ
TV2800728型テレビ

正規化には、第1正規形、第2正規形、第3正規系があります。
過去問(H25秋AP午前問29)では、関係を第一正規系⇒第2正規形⇒第3正規形に変換する手順が記載されています。この情報も参考に、3つの正規形について整理します。
①第1正規形
「一つの属性に複数の値が入っている場合,単一の値になるように分解する(H25秋AP午前問29)」より。
それ以外には、重複の排除などがあります。
よって、第一正規形とは、(厳密にはもう少したくさんありますが、とりあえず)「繰り返し項目が無いもの」程度に考えておきましょう。

②第2正規形
「候補キーの一部の属性から,候補キー以外の属性への関数従属性がある場合,その関係を分解する(H25秋AP午前問29)」とあります。
候補キーの一部の属性からの関数従属を、「部分関数従属」と言います。
よって、第2正規形とは、「(非キーの)すべての属性が、候補キーに関数従属している」、または、「部分関数従属性が排除された」表です。

※参考ですが、主キーが1つだけの場合、部分関数従属はありません。よって、その場合は第一正規形と第二正規形は同一になります。

③第3正規形
「候補キー以外の属性間に関数従属性がある場合,その関係を分解する(H25秋AP午前問29)」
候補キー以外の属性間に関数従属性がある状態を、推移的関数従属性と言います。
よって、第3正規形とは、「推移的関数従属性が排除された」表です。
■補足解説:推移的関数従属性
属性A、B、Cにおいて、A→B→Cが成り立つが、B→Aが成立しないこと。
たとえば、以下において
http://sm.seeeko.com/archives/15876865.html
注文番号→担当者番号→担当者 が成立します。
ですが、
担当者番号→注文番号 は成立しません。