1.レビューの対象
レビューとは、プロジェクトの活動や作成した成果物をチェックすることです。設計工程における設計書のレビューがデザインレビュー(デザインとは「設計」という意味です)で、プログラミング工程でのソースプログラムのレビューがコードレビューです。
参考ですが、応用情報のシラバスには、「プロジェクト活動の状況や成果物を適宜評価するためのレビューの目的を理解する。」とあります。
デザインレビューの目的ですが、プログラム工程よりも前の設計工程でレビューをすることで、成果物の問題点の早期発見を行うことができます。
2.レビューの種類(インスペクションとウォークスルー)
①インスペクション
インスペクション(inspection)とは「調査」という意味です。組織における公式なレビューです。
「作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとして主導すること,及び公式な記録,分析を行うことが特徴のレビュー技法(H24春AP午前問47)」
「あらかじめ参加者の役割を決めておくとともに,進行役の議長を固定し,レビューの焦点を絞って迅速にレビュー対象を評価する。(H19SW午前問44)」
②ウォークスルー
ウォークスルーは、システムやソフトウェアのレビューの方法です。ウォーク(歩いて)スルー(通り過ぎる)という言葉からイメージされるように、気軽に行う非公式のレビューです。※正確な語源は違うので、イメージとして捉えてください。
「レビュー対象物の作成者が説明者になり,入力データの値を仮定して,手続をステップごとに机上でシミュレーションしながらレビューを行う。(H19SW午前問44)」
「設計上の誤りを早期に発見することを目的として,作成者と複数の関係者が設計書をレビューする方法はどれか(H25秋AP午前問46)」
3.レビューの過去問を解いてみよう
(1)H24春AP午前
問47 作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとして主導すること,及び公式な記録,分析を行うことが特徴のレビュー技法はどれか。 ア インスペクション イ ウォークスルー ウ パスアラウンド エ ペアプログラミング |
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【正解】ア
(2)H19SW午前
問44 a~cの説明とレビューとの対応について,適切な組合せはどれか。 a 参加者全員が持ち回りでレビュー責任者を務めながらレビューを行うので,参加者全員の参画意欲が高まる。 b レビュー対象物の作成者が説明者になり,入力データの値を仮定して,手続をステップごとに机上でシミュレーションしながらレビューを行う。 c あらかじめ参加者の役割を決めておくとともに,進行役の議長を固定し,レビューの焦点を絞って迅速にレビュー対象を評価する。
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【正解】エ
(3)H25秋AP午前
問46 設計上の誤りを早期に発見することを目的として,作成者と複数の関係者が設計書をレビューする方法はどれか。 ア ウォークスルー イ 机上デバッグ ウ トップダウンテスト エ 並行シミュレーション |
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【正解】ア
(4)H21春AP午前
問45 デザインレビューの目的はどれか。 ア 成果物の問題点の早期発見を行う。 イ 設計プロセスとマネジメントプロセスに関する問題点の早期発見と是正を行う。 ウ 第三者機関による成果物のサンプリング検査で品質上の問題点の早期発見と是正を行う。 エ 第三者機関による全成果物の合否判定を行う。 |
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【正解】ア
(5)H23秋AP午前
問44 内部設計書のデザインレビューを実施する目的として,最も適切なものはどれか。 ア 外部設計書との一貫性の検証と要件定義の内容を満たしていることの確認 イ 設計記述規約の遵守性の評価と設計記述に関する標準化の見直し ウ 要件定義の内容に関する妥当性の評価と外部設計指針の見直し エ 論理データ設計で洗い出されたデータ項目の確認と物理データ構造の決定 |
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【正解】ア
(6)H25秋AP午前
問48 表は,現行プロジェクトにおけるソフトウェア誤りの発生・除去の実績,及び次期プロジェクトにおける誤り除去の目標を記述したものである。誤りは,設計とコーデインクの作業で埋め込まれ,デザインレビュー,コードレビュー及びテストで全て除去されるものとする。次期プロジェクトにおいても,ソフトウェアの規模と誤りの発生状況は変わらないと仮定したときに,テストで除去すべきソフトウェア誤りの比率は全体の何%となるか。
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【正解】エ
■H25春FE午後問6〔各工程での品質管理の説明〕より
(2)プログラミングエ程では,ソースプログラムのコードレビューを行う。コードレビューには,セルフレビュー及びペアレビューがある。プログラミング担当者が単独で行うのがセルフレビューであり,プログラミング担当者ともう1名でペアを組んで行うのがペアレビューである。セルフレビューの終了後にペアレビューを行う。
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