論理演算において、いくつかの公式があります。それは、結合法則や分配法則、ド・モルガンの法則です。
結合法則と分配法則は、中学校の数学か何かで習った記憶があります。
はい、それとほぼ同じです。
実際に見てみましょう。
1.結合法則
これは、過去問(H29年春AP午前問1)でズバリ問われています。
(A∪B)∪C=A∪(B∪C)
(A∩B)∩C=A∩(B∩C)
これは、数学における足し算や掛け算の以下の公式が成り立つのと同じです。
(A+B)+C=A+(B+C)
(A×B)×C=A×(B×C)
2.分配法則
A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)
A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)
こちらも1つめは数学と同様です。
A×(B+C)=(A×B)+(A×C)
2つ目は、数学の公式とは違いますね。以下の式は成り立ちません。
A+(B×C)=(A×B)+(A∪C)
3.ド・モルガンの法則
分かりにくいですね。
ベン図を描いてみると、たしかに一致します。
言葉で考えてみましょう。小学生にて、Aが野球が好き、Bがサッカーが好きと仮定します。
上の公式で考えます。
左辺:野球とサッカーの両方が好きではない人
右辺:野球が嫌い、または、サッカーが嫌いのどちらかの人
言葉で表現するとわかりにくいのですが、左辺も右辺も同じ人が対象になります。(以下の○の人が対象)
4.論理演算の公式の過去問を解いてみよう
(1)平成29年春期 午前問1
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順番にベン図を描くのが近道かも知れませんね。
すべて成立します。
【正解】エ
(2)H25春AP午前問2
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【正解】ア
(3)H28春AP午前問1
問1 nビットの値L1,L2がある。次の操作によって得られる値L3は,L1とL2に対するどの論理演算の結果と同じか。 〔操作〕 (1)L1とL2のビットごとの論理和をとって,変数Xに記憶する。 (2)L1とL2のビットごとの論理積をとって更に否定をとり,変数Yに記憶する。 (3)XとYのビットごとの論理積をとって,結果をL3とする。 ア 排他的論理和 イ 排他的論理和の否定 ウ 論理積の否定 エ 論理和の否定 |
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【正解】ア
(4)H27秋AP午前問1
問1 0以上255以下の整数nに対して,![]() と定義する。 next (n)と等しい式はどれか。ここで,x AND y 及び x OR yは,それぞれxとyを2進数表現にして,桁ごとの論理積及び論理和をとったものとする。 ア (n +1)AND 255 イ (n +1)OR 256 ウ (n +1)OR 255 エ (n +1)AND 256 |
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【正解】ア
(5)H27秋AP午前問2
問2 集合A,B,Cに対してA∪B∪Cでが空集合であるとき,包含関係として適切なものはどれか。ここで,∪は和集合を,∩は積集合を,XはXの補集合を,また, X⊆YはXがYの部分集合であることを表す。 ア (A∩B)⊆C イ A∩B)⊆C ウ ((span style="text-decoration: overline;">A∩B)⊆C エ ((span style="text-decoration: overline;">A∩B)⊆C |
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【正解】エ
(6)H26秋AP午前問2
問2 4nビットを用いて整数を表現するとき,符号なし固定小数点表示法で表現できる最大値をaとし, BCD (2進化10進符号)で表現できる最大値をbとする。nが大きくなるとa/bはどれに近づくか。 ア (15/9)×n イ (15/9)n ウ (16/10)×n エ (16/10)n |
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【正解】エ
(7)H25秋AP午前問4
問4 論理式P,Qがいずれも真であるとき,論理式Rの真偽にかかわらず真になる式はどれか。ここで,“ ̄”は否定,“V”は論理和,“∧”は論理積,“→”は含意(“真→偽”となるときに限り偽となる演算)を表す。![]() |
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【正解】エ
(8)H28秋AP午前問1
問1 8ビットのデータX及びyの値をそれぞれ16進表現で0F,F0とするとき, 8ビットのデータAの下位4ビットを反転させ,上位4ビットを0にする論理式はどれか。![]() |
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【正解】ウ
まず、XとYが2進数でどんな値なのでしょうか。慣れている人は、0FとF0を見て、00001111、11110000とすぐに分かったことでしょう。
念のため、一つずつ変換してみます。
X:0F(16進数)⇒15(10進数)⇒00001111(2進数(8ビット))
Y:F0(16進数)⇒240(10進数)⇒11110000(2進数)
たとえばAを11010111とすると、「8ビットのデータAの下位4ビットを反転させ,上位4ビットをOにする」と、
00001000 になります。
選択肢のなかでどれが正しいのかは、実際にやってみましょう。
たとえば、アです。わかりやすいように表にしましたが、このような図を書かなくても、A・Xを求めて、その否定を求めることはそう難しくないと思います。
ウは以下のようになります。よって、正解選択肢です。
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